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昔から日本の紀伊半島南西部からグアム島にかけての地域には
・ 筋萎縮性側索硬化症(ALS)—脊髄の神経細胞で起こる
・ パーキンソン病—中脳の黒質で起こる
・ アルツハイマー型痴呆症—大脳の前頭葉で起こる
三つの神経難病が多発していることが知られています。
そこで東大の白木博士は紀伊半島~グアム島の地質、水、農作物などの分析調査を行いました。
するとカルシウムとマグネシウムの含有量が極めて少なく、逆にアルミニウムが大変多いということが分かったのです。
アルツハイマー病患者の脳には多量に蓄積していることが知られています。
ただし一般的にはアルミニウムは神経にとって有害なので、脳の血液脳関門という体内のバリアを通過しません。
ところが白木博士は、ある条件下ではアルミニウムなどの有害物質が、易々と血液脳関門を通過して脳内に入ることを確認しました。
その条件がまさに「カルシウムとマグネシウムの不足」です。
白木博士は、サルにアルミニウムを与えるという実験をしました。
アルミニウムを単独で投与した場合は神経細胞の中には侵入しませんでしたが、体内のカルシウムとマグネシウムを欠乏状態にし多場合はアルミニウムが簡単に通過したのです。
一番の原因は、「カルシウムとマグネシウムを中心としたミネラルの欠乏」であったということです。
ここからは少し専門的になりますが、カルシウムやマグネシウムの欠乏によって、なぜ脳細胞の中にアルミニウムが侵入するのかについては次のように推測されています。
カルシウム摂取量が足りないと、血液中のカルシウム濃度が低下します。カルシウムは血液中に一定量なければいけないので、副甲状腺ホルモンが分泌されて骨からカルシウム分を溶かし出して来てこれを補います。
ところが、骨から溶かし出されたカルシウムは、「ヒドロキシアパタイト」という化合物になっていて、私達が食べ物から摂取するカルシウムとは性質が違っています。
実際、紀伊半島やグアム島で神経難病を起こした人の脳には、このヒドロキシアパタイトが多量に沈着していたということです。
白木博士の見解は、ヒドロキシアパタイトがアルミニウムなどの有害物質と結合して脳の神経細胞に入り込み、脳細胞を変性させ、破壊するのではないかというものです。
しかも、カルシウム不足で骨からカルシウムを溶かす時に分泌される副甲状腺ホルモンには、細胞膜の透過性を高めて細胞内にカルシウムが入りやすくする(というより押し込む)作用があると言われているから、身体がカルシウム不足の時は、一層脳の神経細胞にアルミニウムが侵入しやすくなると考えられます。
これが、脊髄の神経細胞(側索)で起これば筋萎縮性側索硬化症になり、中脳の黒質で起こればパーキンソン病、また大脳に入って前頭葉などが侵されればアルツハイマー病ということになるだと言われています。
アルミニウムを遠ざける事(アルミニウム製の鍋、ヤカンなど)も大切ですが、それ以上にカルシウムやマグネシウムの多い食べ物を積極的に摂ることの方がもっと意味あることです。
かくいう私も、毛髪ミネラル検査の結果でアルミニウムが多かったので、せっせとカルシウムマグネシウムを摂っています。
思い当たる人がいらしたら、摂ってみてはいかがでしょうか?