発症状年齢は20代以降からみられますが、多くは30~40歳代に発症年齢が集中しています。50歳代後半までは症状がみられますが、60歳以降で発症することはあまりありません。むしろその年代になるとシミが薄くなったり消えたりすることもあります。 肝斑という病名は、色が肝臓に似ているからであって、肝機能や肝障害とは一切関係ありません。
肝斑の発症原因はさまざまですが、根本原因がわかっていないため、シミ治療で最も難しいといわれています。女性ホルモン(黄体ホルモン)が大きく関係していることもあるため、「ホルモンじみ」といわれることもあります。 紫外線はもちろんのこと、妊娠、皮膚への過剰摩擦(こすり過ぎ)によるバリア機能の破壊、不規則な生活(睡眠不足)、心理的要因(ストレス)など複雑な原因が考えられています。 また、体調や生理周期によって、色の濃淡が変化することも多くあります。
表皮の構造にはほとんど変化はなく基底層のメラニン含有量が均等に増加している。一般的なレーザー治療では再発・増悪することが多く、基底膜を含めて表皮が支配する(基底膜と)乳頭層の結合組織を含めた再構築が必要と考えられる。 基底細胞内の機能異常、角化機転は不変でメラノサイトへの産生刺激が高まり色素量が増えるもとと考えられている
両側の下眼瞼外側から頬骨領域に分布する地図上の褐色調小斑状の色素沈着です。 肌の中に色素の辺縁不整で色が茶色よりもややグレーや灰紫色を呈する。白い点が一列に並ぶ点線が平行に並んで見える。
一般的に高出力のシミ取りレーザーは有効ではありません。レーザーの刺激により、肝斑をより濃くする可能性が高いためです。 Qスイッチヤグレーザー MedLite(メドライト)C6は炎症を起こさせないほどの弱いパワーでレーザーを照射し、皮膚の中に滞留しているメラニン(シミの原因)を少しずつ壊していきます。
これは、さまざまなシミに対応可能なQスイッチYAGレーザーと同じ種類のレーザー機器で、特に肝斑の治療にとても有効です。 メドライトC6が肝斑に有効な理由は、その答えは、照射されるレーザーの形と出力の違いにあります。 シミ治療に用いられるレーザーの多くは、レーザーの中心部ほどエネルギーが高くなり、端に向かって徐々にエネルギーが弱くなるという、均一ではないレーザー(ガウシアン型)です。 肝斑以外のシミには有効ですが、メラニンを作り出す色素細胞であるメラノサイトが活性化しやすい状態にある肝斑には、この不均一なレーザーが刺激となり、悪化させる要因となってしまいます。 しかし、メドライトC6が発するレーザー光は「トップハット型」と呼ばれるフラットで均一な形状です。さらに、照射口径も大きく、照射スピードも速いのが特徴です。これらの機能により、メドライトC6は肝斑に刺激を与えずにエネルギーを届け、悪化させることなく治療できます。 トラネキサム酸内服療法はメラニンの生成を抑える成分ですので、肝斑を濃くするのを防ぐ効果はあっても、できてしまった色素の排出を促す効果はありません。
・抗プラスミン効果 肝斑ができる原因の一つにはメラノサイトが活発になる事があげられます。 その引き金となるのがプラスミンですが、トラネキサム酸にはプラスミンを抑制する働きがあります。 ・メラニン色素生成誘導因子を抑制 メラニン色素は「プロスタグランジン」というメラニン色素生成誘導因子が発生し、それがメラノサイトを活性化させることでメラニン合成が促進してしまうと考えられています。トラネキサム酸はプロスタグランジンを抑制する働きをもち、メラニン合成を促す物質を阻止してシミ・肝斑を改善します。 トラネキサム酸は、止血作用があるので、別の止血薬であるトロンビンとは一緒に服用できません。両方を摂ることで、血栓が生じやすくなるからです。トロンビンは、胃薬として処方されることもあります。 また、血液が溶けるのを防ぐ効果があるものですから、血栓ができやすい病気の人は気をつけましょう。心筋梗塞、脳血栓、血栓性静脈炎などの症状がある人、または術後などで日中も寝た状態の人、圧迫止血の処置中の人、腎不全の人も要注意です。 L-システインはメラニン色素の生成を抑え、過剰にできてしまったメラニンを肌の新陳代謝であるターンオーバーによって皮膚の外へ排出します。
色素の排出を促すためにはトレチノイン(ビタミンA誘導体)が有効ですが、高濃度の場合は、治療途中(とくに治療開始後、数週間)に著しい皮剥けや赤みの持続といったダウンタイムを伴うのが欠点です。 ハイドロキノンは、働きとしてはトランシーノと同様で、メラニン生成を抑える効果をもっています。 ビタミンCには、メラニン色素の合成を抑制する働きがあります。 ※ビタミンCの一日の所要量は100mgです。シミ治療には300~1000mgが目安とされます。ただし、ビタミンCを摂りすぎると体質によっては下痢、軟便、腹痛などを引き起こすことがあります。
肝斑の治療効果があると考えられているものは、当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などで、いずれも女性特有の症状に対して有効とされるものです。月経や自律神経の失調、更年期症状や、普段から冷え、のぼせなどが多い方に有効です。 また肝斑はストレスとも大きく関わりがあるという点から、アロマもお勧めです。 特に肝斑ケアに有効と考えられるのは、肌細胞を活性化させてくれるラベンダーや、シミ、シワに有効なゼラニウム、またビタミンCを多く含み女性に嬉しい美肌作用や女性ホルモンの分泌を良くすると言われるローズヒップなど。種類によっては妊娠中や授乳中でも使えるというのも嬉しいところです。
シミには細かく分けると老人性色素斑、雀卵斑(そばかす)、脂漏性角化症、遅発性両側性太田母斑、後天性真皮メラノサイトーシスやある種の皮膚炎からくる色素沈着症があります。 老人性色素斑は紫外線が原因でできるシミの代表的例です。高齢になった際に男女の別なく現れる症状とされていますが、稀に20代や30代でも発症することがあります。 雀卵斑は粒状のシミで、一般的にそばかすと呼ばれるもの。小学生くらいから現れます。 脂漏性角化症はイボのように肌から盛り上がってできる形のシミのことです。ほくろと間違えられることがありますが色素の濃度がほくろより薄い場合が多いです。 遅発性両側性太田母斑は生まれつきにもっている「痣(あざ)」のことを指します。褐色だけでなく、青紫色のものも見られます。遺伝が原因とされていますが、後天的に、ある程度の年齢に達してから現れるものもあります。レーザーで治療することが可能です。
位置 →眼の周囲、ほお骨のあたり、眉間や下あごにできているかどうか 形 →点ではなくモヤモヤっと広がるように面でシミになっているかどうか。左右対称かどうか。ここが大きなポイントとなっています。
肝斑は原因が多岐にわたり、表面的なケアだけでは良くならない可能性があります。メドライトというレーザー機器が出てきたときは肝斑治療の大きな前進かと思われましたが、その後は有害事象も報告されるなど絶対的な治療とは程遠いと思います。 肝斑の原因は日焼け、ストレス(精神的なものも含む)、ホルモン異常が大きなものとされています。 ホルモンに関しては妊娠やピルの時に発現するからだと思いますが、私はホルモン単独というよりは酸化ストレスがそれを悪化させているのではないかと考えております。 そのため、レーザーだけでは酸化ストレス対策が出来ていないので、悪化するケースも認められるのだと思います。 いずれのケースにおいても当院で使っているクルクミンジェルを予防なり治療なりに使用すると非常に良い治療成績を残しています。