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今日はサプリメントの質についてお話ししたいと思います。
今回、サプリメントのことを取り上げようと思ったのには理由があります。
それは日本抗加齢医学会総会で国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院長である阿部康二先生が “認知症を防ぐためには50歳を超えたらサプリメントを飲むべき”と断言されたことに驚いたからです。
10年前までは国の健康方針を策定される偉い先生がサプリメントをお勧めするとは想像もつかなかったことなのでビックリです。
とはいえ、サプリメントは安いものから高いものまで玉石混交。
多くの場合、宣伝力の強さでその製品の価値が決まってしまっているように思えますが、実際のところはどうなのかを検証したいと思います。
たとえば血管に良いとされているDHA/EPAのサプリメントの原料が深海魚の肝臓だった場合は、高濃度の有害金属・石油製品の汚染の可能性が高い。同様に胎盤であるプラセンタも、エサや生育環境などどのような環境で作られているのか分からない場合は要注意と言えます。
医薬品のサプリメントは先ほどのように原料が怪しいことはなく、信頼できる素材が使われていることが多いと思います。医薬品GMP基準を満たしていることから、最終製品に含まれている成分が保証されているのも安心です。
当たり前のように思われるかもしれませんが、国内で流通しているサプリメントの大半がこれを満たしていないのです。
どういうことかというとサプリメントは食品なので、ビタミンC2000mg配合となっていても原料の段階でビタミンCが2000mg含まれていればよく、医薬品のように最終製品に含まれる成分量に対する保証がないというのが実際のところ。
そのため精製の段階で成分が消えてしまっていることもあり、最終製品には雀の涙ほどの量しか入っていないことも多々あります。
化学的に作られている合成原料の特徴は
1)安価で高濃度
2)不純物の混入(光学異性体)
3)添加物が肝臓に負担をかける(安息香酸+ビタミンC⇒ベンゼン)
こうした弱点も踏まえて、渋谷セントラルクリニックで採用しているサプリメントは基本的に野菜、果物から抽出された「天然原料」にこだわっています。
その理由は合成されたサプリメントに比べて吸収率が高いこと、吸収された後の体内での働きに勝るからです。ただし、天然原料は価格が高いことが難点ではありますが…
もちろん医療として用いているわけですから、厚生労働省によって医薬品と同様に監督されているGMP基準を満たしているサプリメントであることは言うまでもありません。(そうした製品は日本ではほとんど見かけません)
品質の悪いサプリメントでは有効成分はほんの少ししか含まれておらず、添加物(粉を固めるための賦形剤:ふけいざい)が99%を超えることは良くあります。賦形剤は乳糖が含まれていることから腸内環境を乱したり、その他の成分によって肝臓に負担をかけたりすることも少なくありません。
何よりも大事なのはサプリメントに含まれている成分の量や種類のこと。
渋谷セントラルクリニックで用いられている基本となるサプリメントである“成長ホルモンブースター”は細胞を維持するために必要な成分がすべて含まれています。
この処方を決めたのはブルース・エイムス博士。経歴を記しますが、世界の医学に大きく関与した研究者であることは一目瞭然ですね。
ブルース・エイムス博士
1996年 本田賞
1997年 日本国際賞
1998年 アメリカ国家科学賞
2004年 トーマス・ハント・モーガン賞
2013年 トムソン・ロイター引用栄誉賞
かくいう私たちも最初はどのようにサプリメントを選べばよいのかを悩みました。日本には本当に情報開示されている商品が少ないため、参考にしたのが米国のサプリメントガイドブック。この本では、ドクターズサプリメントが下記の基準をもとにミシュランのように評価されています。
医師向けの商品を☆~☆ ☆ ☆ ☆ ☆にて評価しております。
渋谷セントラルクリニックで用いている基本のサプリメントは☆☆☆☆☆のものだけ。
この中から片手で数えるだけの五つ星生産者と実際にお会いし、日本人用のサイズに作り直してもらって輸入しています。
サプリメントは食品ですので、輸送の過程も大事。
ワインなどが低温管理で運ばれていることは有名ですが、植物製剤が基本となる当院のサプリメントは低温管理で運ぶことで品質保持には特に気を払っています。定期的に生産者と顔を合わせて、きちんとしたロットを送ってもらうことは医師としての務めだと考えております。
昨今はサプリも医薬品も海外から自己輸入されている方もお見受けしますが、政府も偽物が数多く含まれていることに注意勧告をしています。
こちらの記事もご参照ください。
健康被害だけでなく、テロ資金に流れていることや、違法薬物が含まれていることも少なくないのがアメリカやヨーロッパの実情です。最後は少し怖い話になってしまいましたが、皆様にはやはり安全な製品をお使いいただくことが重要だと思います。
何かご不明な点がございましたら、ご連絡ください。