カテゴリ:
渋谷セントラルクリニック代表の大友です。
食欲の秋で食べ過ぎなのか、年末になり忘年会がスタートしたせいなのか、ダイエットのことが気になる方が増えています。
2009年の開業以来、渋谷セントラルクリニックでは食事指導、トレーニングジム、点滴、内服薬を組み合わせた本格的なダイエットプログラムをどこの医療機関よりも先駆けてスタートしてきました。
近年の風潮としてはやせ薬はとかく悪者にされがちですが、その一方で肥満は数多くの病気や症状の原因であり、老化の原因でもあります。
今回は医療ダイエットにはどのようなオプションがあるのか、医療ダイエットは本当に効果があるのか?を2023年時点で私たちの印象も含めて解説させていただきます。
★やせ薬の種類
①GLP-1受容体作動薬
②リパーゼ阻害薬(脂肪吸収抑制剤)
③食欲抑制剤
④SGLT2阻害薬(糖質吸収抑制剤)
⑤ビグアナイド系
①GLP-1受容体作動薬 商品名:リベルサス、サクセンダ
血糖値のコントロールと満腹感を高め、食欲を減退させ、消化を遅らせることによって原料に役立つとされています。GLP-1受容体作動薬は、内服タイプと注射タイプがありますが、私たちは内服薬が使い勝手が良い印象があります。
体重は3か月程度かけて減っていきますが、その後は減りにくくなります。比較的安全に使用できますが、ある一定の方に胃腸の気持ち悪さなどの副作用があります。
② リパーゼ阻害薬(脂肪吸収抑制剤) 商品名:ゼニカル
食事の脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きを阻害することで、食事に含まれる脂肪の30%吸収をカットします。結果として摂取カロリーを減らすことができます。
私たちの印象では海外では脂肪が多い食事が多いために人気ありますが、日本では余り効果を感じている人はいないような印象です。またビタミンA・D・E・Kの吸収も減ってしまうのもアンチエイジングの観点からは問題になると思います。
そのため油っぽい中華や揚げ物を大量に食べるときに屯用で使うのが理想だと考えております。
③ 食欲抑制剤 商品名:サノレックス
空腹感を抑え、満腹感を増すことで効果を発揮する薬で、肥満症の短期治療に処方されます。中枢神経刺激薬と呼ばれるタイプのお薬で、食欲と空腹感をコントロールする脳内の特定の化学物質に影響を与えることで作用します。
気分や食欲の調節に関与する神経伝達物質であるノルエピネフリン、ドーパミン、セロトニンを刺激することから、精神的な問題を抱えている人には使用しないこと、依存の観点から短期の使用に限ることが前提です。
私たちの印象ではのどの渇き、便秘が大きな問題になるため腸内環境をダメージすることも念頭に置く必要があり、長期的なダイエットのためには使い方が難しいお薬と言えます。
④ SGLT2阻害薬 商品名:フォシーガ
腎臓での糖の再吸収をカットすることにより、尿へ糖をより排出させるお薬。
私たちは糖尿病には効果が期待できるものの、体重減少という観点からは弱い印象を持っています。
また尿に糖が増えるので、女性では膀胱炎などの下部尿路症状が出やすいのも使いにくい理由の一つです。
⑤ ヒグアノイド 商品名:メトホルミン、メトグルコ
肝臓で作られるブドウ糖の量を減らし、血糖を下げるホルモンであるインスリンを効きやすくする薬です。結果として体内の余計なインスリンの分泌を減らす方向に進めます。
高インスリン状態は肥満だけでなくガンや老化を引き起こす原因となります。
つまり究極的なアンチエイジングの薬とも言えます。体重を急激に下げる作用には乏しいのですが、ダイエットのリバウンドを防ぐ作用もあります。
低血糖になることも少ないのですが、ある一定の頻度で下痢が起きることがあります。それはメトホルミンが腸内細菌に働きかけることが作用機序の一つであることに起因しています。
★ダイエットピルはどのように使えば安全なのか?
高インスリン状態(インスリン抵抗性)があるのか、甲状腺機能低下症などの隠れたホルモンのトラブルが無いのかなど体内の状況を調べることが重要です。
高インスリン状態はビタミンDや亜鉛、マグネシウムなどの不足や運動不足でも生じます。そのためこうした原因を放置してダイエットに成功したとしても、リバウンドしやすくなってしまいます。
当院のアンチエイジング採血は若返りのためだけでなく、ダイエットをするうえでも重要な指針になります。
年末年始は恒例の採血キャンペーンをさせて頂きますので、是非この機会に検査を受けて頂ければと思います。