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インスリンの働き


インスリンの最も代表的な役割は、細胞がグルコースを吸収し、それをエネルギーへと変換するのを助けることにあります。

しかし、これはインスリンの数ある役割の一つにすぎません。インスリンは他にも重要な機能を持っています。

  • 病気を引き起こす原因となるフリーラジカルの産生を抑える
  • 血管を拡張させる
  • 血圧を下げる
  • アテローム性動脈硬化症(動脈壁へのプラークの集積)の発症率を下げる
  • 炎症を抑える
  • 血栓の発症率を下げる

インスリン抵抗性の症状は?

インスリン抵抗性が軽度の場合、無症状のこともあります。しかし、重症の場合は、以下の兆候を1つ以上認めることがあります。

  • ニキビ
  • 足首の腫れ
  • 足の熱感
  • 混乱(頭にもやがかかったような状態)
  • 便秘
  • 首の後ろなど皮膚が肥厚した部分への色素沈着
  • 記憶力の低下
  • 抑うつ状態
  • 疲労感
  • 変動する高血圧
  • 集中力の低下
  • 中性脂肪の増加
  • 不妊症
  • 腹部膨満感
  • 月経不順
  • 易刺激性
  • 便秘と軟便を繰り返す
  • 食後の眠気
  • 水分貯留
  • 体重増加、臀部(でんぶ:お尻)や腹部への脂肪蓄積

上記の症状の中によく当てはまるものがいくつかある場合、体重が落ちにくい原因としてインスリン抵抗性が関係している可能性が考えられます。

インスリン抵抗性は体重増加にどう関係している?


インスリン抵抗性は、消化の後に血液中を流れるグルコースが細胞に吸収される過程を邪魔します。

細胞がグルコースを吸収できないと、血液中のグルコース濃度は異常高値となります。身体はグルコース濃度を正常範囲内に保つように設計されているため、他の方法でグルコース濃度を下げようとてインスリンを更に分泌します。指令を受けた肝臓は、糖を脂肪に変換します。この脂肪は、身体のうち特に腹部や臀部に蓄積します。

ここまでの話で、インスリン抵抗性が体重増加につながる過程は単純なものに思えたかもしれません。しかし、実際にはもう少し複雑な悪循環が存在します。体内の細胞は、グルコースを吸収できないためにエネルギーが産生できず、その結果疲労感が生じます。これに対応するため、身体はより多くの食事を摂取するようになります。

特に、速やかにエネルギーに変換できるように、炭水化物を豊富に含んだ食品を好むようになります。炭水化物は、より多くのグルコースへと分解され、それに伴ってインスリンの分泌量も増加し、より多くの脂肪細胞が作られることになります。身体の筋肉に対する脂肪の割合が増えるにつれ、脂肪の燃焼が追い付かなくなり、体重を落とすことが難しくなります。

また、インスリン抵抗性は、トリプトファンというアミノ酸がセロトニンへと変換されるのを阻害します。セロトニンは脳で働く化学物質であり、食欲を抑える機能があります。この物質の生成量が下がることで、食欲が増し、体重増加につながります。

インスリン抵抗性があるか否かはどう判断する?

インスリン抵抗性の有無を判断するための単一の検査はありません。しかし、血液検査で血糖値や中性脂肪、LDLコレステロール(“悪玉”コレステロール)の高値、あるいはHDLコレステロール(“善玉”コレステロール)の低値を認める場合、インスリンの適切な産生、あるいは利用ができなくなっていると判断します。標準的な血液検査では、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールの値を調べます。

血糖値を調べるためには、以下のいずれかの方法があります。

・HOMA-IR検査                                      空腹時血糖とインスリンの値から変数を用いてインスリン抵抗性を評価するものです。糖尿病の方には有意義ですが、インスリン抵抗性の初期段階では必ずしも正確に把握できないのでそれ以外の要素を勘案する必要があります。
・糖化ヘモグロビン(HbA1c)検査
この血液検査は、空腹時にヘモグロビンと結合している血糖の割合を調べる検査で、過去数ヶ月間の平均血糖値を表します。HbA1cの値が5.7~6.5%の場合、糖尿病予備軍前糖尿病(糖尿病になりうる状態。前糖尿病)であり、インスリン抵抗性がある可能性を示します。
・空腹時血糖値検査
この検査では、少なくとも8時間、あるいは一晩絶食した後に採血を行います。空腹時血糖値が90mg/dlを超えると、糖尿病予備軍に近付いているといえます。空腹時血糖値が100~125mg/dlでは、糖尿病予備軍となります。
・経口糖負荷試験(OGTT
この試験でも、同様に少なくとも8時間、あるいは一晩絶食した後に採血を行います。その後、ブドウ糖水溶液を飲み、時間経過と血糖値の変化を調べます。耐糖能異常検査(IGT)と呼ばれることもあり、血糖値が140~199mg/dlを示す場合には、糖尿病予備軍となります。
血糖値が高いことが判明した場合には、その程度によって、医師から生活指導や薬物療法を勧められることがあります。次項で紹介するような食事の見直しは、高血圧やインスリン抵抗性の治療を促進し、その過程で不要な体重を落とすことができます。

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