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酒さにおいてレーザーやフォトフェイシャルでしられるIPL療法は一定の効果を示す治療と認識されています。
酒さには赤ら顔(血管拡張)、大人ニキビなどの様々な症状を呈しますので、症状に応じて適応を選ぶ必要があります。
米国皮膚科学会のミーティングにおいてにきびと酒さに対するレーザーと光線療法について講演したマシュー M.アブラハム博士によると、最新の治療においては大人ニキビの皮脂腺をターゲットにした治療法が研究されているということです。
血液中のオキシヘモグロビンは、レーザーからの約595nm(パルス色素レーザー)および532nm(KTPレーザー)の波長の光を吸収し、酒さの原因となる毛細血管に熱ダメージを与えて破壊します。治療後 3〜4週間に渡ってダメージを受けた毛細血管は徐々に再吸収されていき顔の赤みが減少します。
そうしたことから酒さ患者でレーザー治療が最も効果的であるのは赤ら顔の中でも毛細血管の拡張が目立つ患者です。ただレーザー治療の弱点としては紫色を伴う酒さ患者には効き目が少なく、顔の火照りを予防する効果はほとんどないとされています。
フォトフェイシャルの名で知られるIPL療法は、酒さに対するもう一つの治療法です。酒さに作用する様式は基本的にレーザーと同様です。但し、レーザーとは異なりIPLの出力範囲は広く、フィルターを用いて波長を調整することができます。IPLによる治療は幅広い技術変数を持ち、効果的、持続的な酒さの治療、特に毛細血管病変の治療に有効だとされています。
ボストンのマサチューセッツ総合病院皮膚科レーザー&コスメティックセンターのセンター長であるアブラハム博士によると、レーザーまたは高強度のパルス光を当てることによって主に紫斑の黒色や青色への一時的な変化、血管に対しては血管の除去が期待できると述べています。
酒さに限らずレーザーやIPLはただ照射すればよいものではありません。医師による設定で効果は大きく変わります。効果的な治療をするためには、医師は患者のどの病変をターゲットにして治療を行うのかを考えなくてはなりません。そのためには皮膚の色調や毛細血管をしっかり同定してレーザーやIPL装置の設定を行うことが必要不可欠となります。
気を付けないといけないこととしては、過度に強力な治療を行うとかえって痕を残すリスクを伴うことです。
また酒さにおけるIPL治療の有効性を低下させる特定の要因についても考慮する必要があります。
アブラハム博士は赤ら顔の均一でむらのない改善という最良の結果を得るためにレーザーの照射部位が適切な重複(約15%)するべきだと主張しています。レーザースポットの間隔があまり開くと、レーザーパルスの領域の少し離れた部分に除去の痕である「フットプリント」が発生し水玉模様のようになってしまうからです。
最先端のニキビ治療
これまでの研究成果ではレーザーとIPLなどの用いた大人ニキビの治療はメリットに一貫性がないと評価されてきました。
しかし、これまでレーザー、IPL治療の際に用いられてきたのとは異なるアプローチが始まっています。
皮脂腺の脂質を選択的にターゲットにするために冷却を用いる冷凍融解治療が注目されています。冷凍融解は、脂肪細胞をターゲットとするために冷却を使用するクリオライポーシスのことです。脂質で満たされた脂肪細胞は、水分の多い真皮よりも冷却に対して鋭敏で周囲の構造を保存します。
開発中のもう一つの技術は、皮脂腺に皮膚を介して揉み入れられる、金のような成分でコーティングされたナノ粒子の使用です。複数の異なる波長のレーザー治療はナノ粒子をターゲットとしており、皮脂腺内でそれらを加熱し、結果としてニキビの改善が得られます。この場合、治療は脂質の吸収スペクトルに依存しません。 このアプローチの臨床試験は現在進行中です。
酒さに対するIPL療法は確かに有効なケースが多いです。但し、光を当てることによりエネルギーを加えて毛細血管の治療をしようと思うと、光エネルギーによる炎症が生じる結果になります。これを押させるためには抗炎症作用のあるクルクミンジェルを用いる治療が有効だと思います。もちろん言うまでもなく、酒さの原因となる食事や環境を気を付けることで美しいお肌を作り上げることが出来ると思います。
http://www.mdedge.com/edermatologynews/article/111698/aesthetic-dermatology/rosacea-responds-well-laser-ipl-therapies
https://rosacea-support.org/ipl-is-excellent-for-rosacea.html