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サプリメントは身体に健康をもたらすために使用されるものですが、通常の人にとっては健康目的であっても酒さの患者さんにとっては有害なものもあります。例えば、全身の血流を増加させるような作用をもつサプリメントでは、顔のほてりや赤ら顔などの酒さの症状を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。健康なカラダ、臓器、脳の活動にとって、血流が豊富にあるということは必要不可欠ですが、顔への血流が急激に増加すると、酒さの原因、あるいは酒さを悪化させる原因になるということです。
血流は、体内のすべての細胞に酸素や栄養素を送り届け、また、細胞内に蓄積した老廃物を取り除いています。血流が増えるということは、カラダ全体を考えるとメリットの方が多いと言えます。
しかし、顔への血流が増えてしまうと、顔のほてりや赤ら顔などの酒さの症状を悪化させてしまいます。また、もろくなった血管に大量の血液が勢いよく流れれば、血管が傷ついて、炎症を起こしてしまうのです。どのサプリメントが酒さの原因となったかを特定することは容易ではありません。渋谷セントラルクリニックで注意している皮膚に悪影響を与える可能性のあるサプリメントについてご紹介していきます。
多くのサプリメントは、血管を拡張し、血流を増加させる作用があります。血管は、収縮すると通り道が狭くなり、抵抗が高くなるため、血液が流れにくくなります。逆に拡張すると通り道が広くなり、抵抗が減って流れやすくなるため、血流が増加します。全身の血流が増加すれば、ほとんどの場合で酒さの症状にも悪影響を及ぼします。
一部のサプリメントでは、身体の特定の器官、例えば心臓、腎臓、肺、脾臓など、一部の臓器にのみ作用して、その臓器のみに血流を増加させるものもあります。この場合、顔の血管が障害されることにはつながらず、酒さを悪化させる原因にはなりません。
サプリメントの中には、熱の産生量を増やし、体内の熱を高める作用を持つものがあります。身体がより多くの熱を持つようになれば、顔のほてりにつながり、酒さを悪化させる原因になります。
代謝を高める作用を持つサプリメントは多数存在します。健康な身体を維持するためには、適切な代謝が必要不可欠です。サプリメントの中には、正常では起こり得ないようなエネルギーの大幅な急増を引き起こすものがあります。身体の中で使われる主なエネルギーはATPといって、細胞の中にあるミトコンドリアから生成される物質です。米国酒さ協会によると、ATPの濃度が過度に高くなると、酒さの発症、あるいは酒さの悪化の原因になります。
サプリメントの中には、血管を拡張させる作用のあるホルモンの放出を促すものがあります。血管拡張作用の結果、顔の血流が増加すると、赤ら顔やほてりの原因となります。こういったサプリメントの持続時間は12~24時間といわれています。
血管の収縮・拡張は自律神経によって調整されています。サプリメントの中には、脳にある視床下部に作用し、神経を刺激して血管拡張を引き起こす作用を持つものがあります。この結果、全身の血流が増加し、赤ら顔やほてりを引き起こします。
サプリメントには、風邪やウイルス感染などから身体を守るために、免疫力を高める作用を持つものが多数存在します。免疫力を高めることは酒さの改善にもつながりますが、一方で酒さを悪化させる可能性もあります。
酒さの症状がある皮膚では、炎症や血流の増加があるため、免疫細胞は「その部分で感染が起こっている」つまり「病原体が悪さをしている」と勘違いしてしまいます。免疫細胞の主な働きは、感染してしまった細胞を貪食(どんしょく)することです。炎症が起こっている細胞は「感染が起こっている」と判断され、免疫細胞が食べて、分解し、感染の拡大を防いでいます。細胞が貪食される際、フリーラジカルという有害な物質が放出されます。
酒さでは顔に集中して病変が現れるため、免疫細胞が顔に集中しやすい状態になっています。そこで免疫力を高めてしまうと、免疫細胞が過剰に活性化し、顔の炎症細胞が大量に貪食されます。その結果、爆発的にフリーラジカルが放出されて、さらに皮膚の状態を悪化させてしまう可能性があります。
渋谷セントラルクリニックで採血をした患者さんの多くで免疫力が低下していることを考えると免疫力を上げすぎることを心配するよりは免疫力が低下していることを心配したほうがよいともいえるかもしれません。現実的には自律神経を刺激しないで生きていくことは不可能なので、いちはやく酒さの原因を根本から改善することを考えるべきではないかと思います。私たちが考える重要なサプリメントはビタミンD、ビタミンAを始めとして適切なマルチビタミンミネラルを摂取することです。