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かなり反響の多いトリガーポイント・筋筋膜痛シリーズですが、 今日は実際の治療についてご説明いたします。 僕が筋筋膜痛という概念に出会ったのは、慈恵医大のペインクリニックに 北原雅樹先生が赴任された時です。 筋肉そのものが非常に強い痛みをおこすという概念で患者さんを拝見すると それまで原因不明と思われていた痛みの治療がスムーズに進んだことを 今でもよく覚えています。 その時の私は研修医に毛が生えた程度の存在でしたが、トリガーポイント注射の 手技自体は局所注射と大して変わらず特に難しいものだと思いませんでした。 ただ正確な診断をするのが非常に面倒だなと思いました。 筋筋膜痛は除外疾患です。つまり痛みの大きな原因が脊柱管狭窄症、脊椎すべり症 などの病気ではないということを否定しないといけないからです。 ですから診断には数十分は最低でもかかります。 そのうえで筋肉を強く押すことにより、痛みが放散する場所を見つけていくのです。 痛みの強い患者さんは皆さんそうですが、どこも痛いとおっしゃいます。 ですが、トリガーポイントは他とは違って明らかに響くポイントを言います。 痛みのある場所と必ずしも近いわけではありません。 ですから治療者がトリガーポイントだと思って注射やハリ治療をしていても 『効かない』ってことは十分に考えらえます。 具体的な例でないと分かりにくいと思うので、 次回は手のしびれを訴えた患者さんの症例報告をさせていただくつもりです。