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不妊・不育とダイエット

無理なダイエットで月経が止まる。無理なダイエットによる体重の増減、不規則な食事や睡眠、激しすぎる運動、過度のストレスなどは、身体の自律神経を支配している視床下部を乱します。

女性の正常な排卵や女性ホルモン分泌には、一定量の皮下脂肪が不可欠です。排卵を起こすための女性ホルモンはコレステロールでつくられ、普段は体脂肪の中に蓄積されているから正常な排卵には適度な皮下脂肪が必要です。

短期間(1年以内)に5kgあるいは10%以上の体重減少が起こると、皮下脂肪から分泌されるレプチンという物質の不足等から脳内のホルモン分泌異常が起こり、卵巣機能が低下あるいはストップしてしまうのです。これは自分の身が危機に陥ったときに生殖を犠牲にするという、命には直接影響のない生体の防御反応と考えられます。その結果、月経不順・排卵障害で無月経・無排卵という状況に陥ります。  

やせている人もダイエット傾向

日本肥満学会の基準(平成11年10月学会総会宣言)では、BMI22を基準とし 標準体重=身長(m)×身長(m)×22を標準体重と規定して そのマイナス10%以下を「やせ」としています。

例えば、身長160cmの人の正常範囲は50・7~62・0kgです。

わが国では「やせグループ」の女性でさえダイエットを望む傾向が強く、中学校・高校健診データですが、「不健康やせ」は中学3年生では5.5%、高校3年生では13・2%に達しています。さらに減食が極端でしかも病識がないケースは、心身症の一種である「拒食症」の可能性(約500人に1人)があり、死に至ること(6~10%、カレン・カーペンターさんの死が有名)もあるので注意が必要です。体重減少が無月経の原因であることを認識して減少前の体重または標準体重の90%以上に回復することですが、体重が回復しても、約30%では自然な排卵・月経が回復しません。特に重度の体重減少例や3年以上無月経が続いている場合は難治性といわれます。

自力で月経が起こらない場合、子宮の萎縮や骨粗鬆症を予防するために、女性ホルモン剤の投与が必要です。妊娠の希望がある場合は排卵誘発剤の使用が必要になりますが、体重減少中の大部分のケースでは充分な効果が得られません。軽い気持ちで始めたダイエットで月経不順になり、いつまでも抜け出せないばかりか不妊症に陥り、閉経後に骨粗鬆症・骨折・寝たきり等の身体にとって悪いことばかり起こるリスクを含んでいます。  

ホルモンバランスが崩れると生理不順や無月経に

月経は、卵巣から出るエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の増減によって起こるものです。これらの微妙なホルモン分泌を調整するのが、視床下部。ストレスや急激な身体の変化など、外部からの影響を受けやすい場所にあります。自律神経系や食欲中枢系にトラブルが起こると、下垂体に「性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)の分泌」の指示を出さなくなることがあります。 また、排卵障害には体脂肪も関係があります。性ホルモンはコレステロールから作られ、体脂肪に蓄積されますので、やせすぎの人は原料のコレステロールが少ないため、卵胞ホルモンの分泌を抑制して生理不順や無月経の原因になるのです。 ではコレステロールがいっぱいの太っている人はどうなのでしょうか。体脂肪に取り込まれたホルモンは、タンパク質と結びついて有効に働きます。ホルモンの周りにタンパク質がなく脂肪だらけだと滞留するばかり。太りすぎも排卵を妨げることもあります。  

 一度止まってしまうと元に戻すのは大変

1年間に5kg以上の体重の変動があると、月経は止まりやすくなります。また標準体重を30パーセント以上上回っていても月経は止まってしまうことがあります。3ヶ月以上月経が来ないことを「続発性無月経」と言います。「第一度無月経」と「第二度無月経」があります。太りすぎの人に多い「第一度無月経」はプロゲステロンがない症状で、やせすぎの人に多い「第二度無月経」はプロゲステロンもエストロゲンもないという症状が進行している状態です。一度失われた月経を簡単に元に戻すようなお薬はありません。体脂肪や体重を増やしても、一度低下してしまった卵巣の機能を高めるには、2~3年くらいかかるケースが多いです。無月経や無排卵が長期にわたって起こると、子宮や卵巣が萎縮してしまい機能が低下してしまいます。無理なダイエットや過度の体重変動には十分に気をつけてください。  

肥満は生活習慣病をはじめ、万病の元

太りすぎると生活習慣病になりやすくなるといわれています。生活習慣病とは文字通り、生活習慣に起因する病気のこと。かつては成人病といわれていました。肥満によってインシュリンの働きが悪くなり、糖尿病や動脈硬化などの原因の一つになります。普通体重の人に比べて高く、肥満の人は一般的に病気になりやすいといえます。 心筋梗塞・脳梗塞の確率も高まります。子宮体ガンのリスクも上がってくるといわれています。 その為生活習慣病を予防・改善し、要因となる肥満を解消するということが大切なのです。肥満につながりやすい生活習慣は、運動不足・不規則な食事や偏食・過食・ドカ食い・早食いの習慣・動物性脂質・糖分、塩分の高い食事・アルコールの飲み過ぎなどです。無理をして体重を急激に減らすのではなく、運動食事改善などで徐々に減らしましょう。  

肥満指数(Body Mass Index)が示す快適な生活

肥満指数は、生活習慣病に罹る確率の少ない体重の目安です。 元気で長生きできる体重ということ。 BMIの計算式 BMI=体重(kg)÷身長(m)2 18.5未満 ・・・・・・低体重(やせすぎ) 18.5~25未満・・・・普通体重(理想的) 25~30未満・・・・・肥満1度(軽度肥満) 30~35未満・・・・・肥満2度(中程度肥満) 35~40未満・・・・・肥満3度(高度肥満) 40以上 ・・・・・・・肥満4度(超高度肥満) 体重とホルモンバランスの関係は非常に微妙で、太りすぎ・やせすぎの人が標準体重に戻す努力をしただけで、自然排卵できるようになった例もあります。 とくに太りすぎの人の場合、体重を減らせば排卵が始まるケースがほとんどです。妊娠前に肥満を解消することが出来れば、妊娠中のリスク(妊娠中毒症や妊娠糖尿病、難産になる危険性)を低下させることができます。 やせすぎの人は、体重を元に戻してエストロゲンの分泌が復活できれば、のぼせやめまい、情緒不安定、不眠といった症状も改善されます。また骨粗鬆症を抑える効果もあります。

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