筋筋膜性疼痛症候群(MPS)とは何週間も、何ヶ月も、時には何年間も引き続く ’慢性の筋肉の痛み’のことを言います。筋筋膜痛の症状は大きく分けて神経痛と鈍い痛みの2つが挙げられます。
ビリビリとした痺れや灼熱感を伴う焼けるような痛み、電気が走るような痛み
動かすのが億劫になってしまうような痛み、重だるい嫌な痛み
つまり筋筋膜痛の痛みは神経痛と誤解されていることが少なくありません。これほどひどい痛みを引き起こす筋筋膜性疼痛症候群が診断されにくいのかには理由があります。筋筋膜痛は画像診断法 (CTやMRI)では特徴的な結果を示すことはないため、症状や所見から疑う必要があります。
筋筋膜痛症候群を疑わせる所見は以下の3つです。
当院の経験からすると線維筋痛症と一般的に診断されている症状の多くは筋筋膜性疼痛症候群であることが多いと思われます。
大きな違いとして、線維筋痛症は全身の耐え難い恒常的な疼痛(慢性的、持続的に休みなく続く広範囲の激しい疼痛)を主な症状とする点にあります。ただ多くの医師が全身に痛みが無く診断基準を満たさないにもかかわらず、線維筋痛症として治療をしています。全身に痛みがないなどの診断基準を満たさない方は筋筋膜性疼痛症候群を疑う必要があると思います。当院では線維筋痛症は免疫機能や甲状腺機能が何らかの形で低下していることが原因だと考えております。 詳しくは線維筋痛症のページをご覧ください。
検査(60分) 原因の検索が一番重要です。なぜなら当院に来院するほとんどのケースで痛みを引き起こす場所を同定できていないからです。 2005年に発表された論文(※)によると筋筋膜疼痛症候群を引き起こす重要な所見は以下の4つです。
当院では問診、アンケート、姿勢評価装置と身体所見によってまず初めに『骨格のゆがみ』、『関節可動域の低下』について正確に診断します。
慢性的な疾患である筋筋膜性疼痛症候群においてはこうした内科的な原因が疑われますので、初回検査時に採血を行って評価します。
1.NASAやハーバード大学で行われている最新のリハビリ法(画像は林家木久扇師匠の治療風景がテレビで放映されたものです)
2.IMS(筋肉内刺激法)
IMS治療とは東京慈恵会医科大学ペインクリニック診療部長北原雅樹医師がアメリカ留学中にカナダ人医師Dr. Chan Gunnより直伝を受け、日本に紹介された治療法です。 IMS治療は西洋医学のリハビリテーション学や解剖学と東洋医学の鍼治療に対する高度な知識・理解のもとに双方の利点を活かすべくDr. Chan Gunnによって開発されました。IMSは従来のトリガーポイント治療の概念に似ていますが、イコールではありません。なぜなら痛みを感じている場所と痛みを引き起こしている場所は必ずしも近いわけではないからです。そのためIMS治療を行うためには、解剖学への深い知識と理解力、そして何よりも修練が必要となります。 当院では北原雅樹医師より大友医師が治療にあたっております。
3.エクソソーム療法
エクソソーム(幹細胞培養上清液)とは、幹細胞を培養液の中で培養した際に得られる溶液のことを指します。エクソソームには幹細胞から分泌される様々な生理活性物質(成長因子、サイトカイン、エクソソームなど)が豊富に含まれており、その数は500種類以上と言われております。
エクソソームを投与することにより老化した組織そのものの若返りを目指す新しいアンチエイジング医療です。
【エクソーム点滴の作用】
・組織や神経を修復してくれる作用
・病気のもととなる慢性の炎症を抑える作用
・低下した免疫力を高める作用
・傷を早く治す作用
【培養上清液に含まれる美容効果が期待される成長因子】
皮膚(表皮)の細胞成長を促す働きがあり、肌のターンオーバーや傷の治癒を促進させる効果が得られます。
コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などの生成を促進する働きがあります。
抗炎症効果などがあり、敏感肌の改善に効果が得られます。
他の細胞の増殖因子として働き、組織の修復作用、コラーゲンの産生作用などの効果が得られます。
肌の弾力を保つために必要なコラーゲンやエラスチン、肌の潤いに必要なヒアルロン酸などを作り出す働きがあります。
肝臓だけでなく、あらゆる細胞の老化を抑制し、体の中のネットワークを活性化する作用があります。
4.PFC-FD療法
エクソソーム療法は他家(自分の細胞由来でない)ため、ご自身の細胞を使った成長因子を用いたい方にはPFC-FD両方をご提案させていただきます。
これはPRP療法の進化版です。血小板を高濃度に含んだ血漿のことをPRP(Platelet Rich Plasma)といいます。PRP療法とは自己血液より抽出し濃縮した血小板由来の成長因子を直接注入することにより再生力を高め、臓器の若返りを図る治療です。ヤンキースの田中将大投手やエンゼルスの大谷翔平投手が靱帯損傷の際にこのPRPを用いて治療していたのは記憶に新しいところだと思います。
このPRPを濃縮することによってPRPの2倍以上の成長因子を作り出したのがPFC-FD療法です。自己成分100%であり、無添加・防腐剤フリーのためアレルギーリスクもありません。
年齢や加齢によって生じる筋肉や靭帯の問題に対してPFC-FD治療を行っています。
診察:アンケート、姿勢検査 45分
採血 (筋肉に痛みを引き起こす原因となるホルモンや栄養の過不足をすべて網羅的に探します)
IMS( 筋肉内刺激法 )
エクソソーム療法 範囲にもよりますが、1~2アンプルが目安となります。
(税込)
再診料 | 3,300円 |
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採血料 | 44,000円 |
IMS療法 | 小範囲 22,000円、中範囲 27,500円、大範囲 33,000円 (月1回が目安) |
エクソソーム療法 | 1アンプル 77,000円 |
先端リハビリ | 11,000円 |
PFC療法 |
採血+検査+PFC製造費 ・・・20万円 1回の注入費・・・8万円 |
※テレビ出演 東京慈恵会医科大学ペインクリニック外来で大友医師が加圧トレーニングをしています
IMS治療×加圧トレーニング テレビ東京 私はこうして救われた!腰痛治療3本の矢!
IMS治療は北原雅樹医師によってNHK教育テレビの「ここが聞きたい!名医にQ」、テレビ東京の「私はこうして救われた!腰痛治療の3本の矢!」などのテレビをはじめ、多くのマスコミで紹介されています。
東京慈恵会医科大学ペインクリニックで筋筋膜性疼痛症候群についてお知らせしているパンフレットを参考にご説明いたします。筋筋膜性疼痛症候群とは’慢性のひどい筋肉のコリ’のことです。’筋肉のコリ’は’たいした事のない痛み’とか’風呂にでもつかってほっておけば治る’と考えられていました。しかし何週間も、何ヶ月も、時には何年間も続く’慢性の筋肉のコリ’についてはあまり注目されてきませんでした。
これらの痛みはマッサージやお風呂で一時的には楽にはなってもなかなか完全には良くなりません。結果として頭痛・首、肩の痛み、背中のコリ、腰痛となって人々を苦しめます。最初は骨折、手術後の痛み、帯状疱疹等の明らかに原因のある病気や怪我だったのにもかかわらず、元の病気が治った後にも痛みが続く場合に筋筋膜性疼痛症候群である可能性があります。あまり知られていないことですが筋肉の痛みは多くの表現をします。ビリビリとした痺れや灼熱感を持った焼けるような痛みや電気が走るような痛みなどは筋筋膜性疼痛症候群でも起こりえます。それだけではなく、筋肉の痛みはかなり強い痛みを引き起こします。ex. 人間の感じる痛みの中で最もひどい痛みに数えられるお産の痛みも(指を詰めるのと同じ位の痛み・・?)子宮という筋肉の固まりが起こす痛みです。
これほどひどい痛みを引き起こす筋筋膜性疼痛症候群が診断されにくいのかには理由があります。筋肉の痛みは画像診断法(CTやMRI)や血液検査で特徴的な結果を示すことはないからです。但し、診断する方法が無いわけではありません。
筋筋膜痛症候群を疑わせる所見は以下の3つです。
内服歴:トラムセット(トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠)、テルネリン(チザニジン塩酸塩錠)
『ペインクリニックでブロックをしても一時楽になるが、程なく元の症状に戻ってしまう』ということで来院された。腰からおしりにかけてIMS治療を行った。さらにハムストリングから下腿にかけもIMS治療を行い、IMS治療1か月で筋肉がほぐれ、その後IMS治療とリハビリ(加圧トレーニング等)を併用2か月目でIMS治療は終了し、現在はリハビリのみ行っている。
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用
内服歴:現在は飲んでいない
右膝痛は、20年来で最近は治療していなかった。右膝上部の大腿部にIMS治療をおこない、左側(バランスを取るために反対側に力がはいります。)にも同様にIMS治療を行った。大腿から膝周囲にIMS治療を行うことで、日常生活に支障のない状態に戻りつつあります。
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用
内服歴:なし
数か月前より肩が上がらない。腕が水平までしか行かない状態でした。首から肩、肩甲骨周囲にIMS治療を行った。現在では、IMS治療によって肩が日常生活に支障のない程度に上がる様になった。
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
図は 『Simons Myofascial Pain and Dysfunction. The Trigger Point Manual VOLUME 1 The Upper Body』 より引用
内服歴:なし
20年来肩から背中が痛く10年前ころから痛みの程度が増してきた。2か月前スポーツ中に肩を打撲してから肩から前腕にかけて痛みが出るようになった。肩から前腕にかけてIMS治療を行った。肩の動きはIMS治療治療をすることで滑らかに可動域も広がった。
×:トリガーポイント 赤い部分:関連痛
『Simons Myofascial Pain and Dysfunction. The Trigger Point Manual VOLUME 1 The Upper Body』 より引用