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人工授精と体外受精の違い

不妊治療には大きくわけて2つあります。人工授精と体外受精。似てるようで似ていない言葉ですが違いを説明させていただきます。

人工授精

人工授精とは採取した精液を、カテーテルという細い管を使いて子宮に直接注入する方法で、精子を卵子が受精しやすいところに持っていく治療法です。

① 子宮頚管中の粘液分泌が正常ではない場合
② タイミング療法やHMG-HCG療法がうまくいかない場合
③ 精子の数が少ない場合(1000万程度まで)
④ 性交障害(ED・女性器異常など)の場合

人工授精には2種類あります。

■ AIH【配偶者間人工授精:Artificial Insemination of Husband】
夫の精子を使って行う人工授精です。

■ AID【非配偶者間人工授精:Artificial Insemination of Donor】
夫が無精子症の場合、この治療法を選択することがあります。

最近の人工授精は精子を遠心分離で分けて、質の良い精子だけを注入するやり方が一般的です。

体外受精

体外受精とは、女性の卵巣から卵子を体外に取り出して、男性の精子と受精させて、数日の培養後、細胞分裂(分割)が始まれば、女性の体内(主に子宮内)に戻すと言う治療法です。

体外受精は体内で受精が難しいと考えられる場合に行う方法で、

  • コンベンショナルIVF
  • レスキューICSI
  • 顕微授精(ICSI)
  • スプリットICSI

あるいは凍結胚移植なども含めて体外受精といいます。

体外受精の適応

体外受精の適応については以下のような場合です。

  • クラミジアなど細菌感染や子宮内膜症による癒着で両方の卵管が完全に閉塞している場合
  • 精液検査で重症の乏精子症や精子無力症の場合
  • 抗精子抗体が非常に多い場合
  • AIHを何度も施行しても妊娠しない
  • 高齢の場合

体外受精は6つの手順で進んでいきます。
卵包期の管理から排卵 → 採卵 → 精子の採取 → 受精 →  胚移植 → 妊娠判定

人工授精と体外受精の違い、お分かりいただけだでしょうか。

現在、体外受精にも様々な方法があり、胚盤胞移植や二段階移植といった方法を使われることも増えてきました。また、卵子の凍結方法も進化してきており、ガラス化凍結法は高い成功率を上げてきています。

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