ホルモン補充療法と美容治療

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2023年5月2日

1.美容治療の古くも新しいトレンド、ホルモン補充療法

渋谷セントラルクリニック代表の大友です。
今月はホルモン補充療法と美容についてお話しさせていただきます。
今月11日より開催される日本美容外科学会で「美容皮膚科の未来」のシンポジストとして発表させていただく内容を少し分かりやすく書き直しております。最先端のホルモン補充療法の一端が伝われば幸いです！

お肌が老化する原因とは？

お肌の老化はしわの出現、肌の乾燥、青白さ、皮膚の厚みが失われるなど多岐にわたります。これらの原因は大きく皮膚の外因性老化と内因性の老化の二つに分けられます。

外因性の老化
■紫外線
■環境汚染
■有害なライフスタイル；喫煙、アルコール、睡眠不足、栄養不足など

内因性の老化
■ホルモンレベルの低下など
■遺伝子変異
■炎症（酸化ストレス、糖化ストレス）
■皮下脂肪の喪失

今回のホルモンは年齢によって低下してくることはよく知られていますが、メラトニン、成長ホルモン、DHEA、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロンなどは、50歳になるまでに若い頃の最大値の約50%まで低下し、70歳までにはさらに約25%まで低下します。

ここで大事なことはホルモンの減少は老化の原因であると同時に、老化そのものもホルモンレベルの低下を引き起こします。

今回は美容に特化してお話ししますが、老化のプロセスは、身体のすべての器官と組織に影響を与えます。そのためお肌や筋肉だけでなく、心臓、脳などの神経や骨などすべての臓器に関係していることから健康と生活の質に大きな影響を与えます。
例えば、疲労、不眠症、気分変動、関節痛、集中力と記憶力の低下、体重増加、性欲減退といったことは不定愁訴として扱われることも少なくありませんが、実はアンチエンジング領域の大きなテーマで得意分野の一つでもあります。

美容治療におけるホルモン補充療法

私たちはアンチエンジングドクターとして患者さんの見た目を良くすることも、気分を良くすることも同じくらい大事にしています。

そうした観点から一つ言えることは、ホルモン補充療法を加えることは、美容治療の効果をより効果的にします。

アンチエンジングの観点から美容治療をするときはホルモンを補充するだけでなく、外的な要因、たとえば紫外線に気を付けたり、アルコールやたばこを減らしたり、食事を見直したり、サプリメントを追加したり、睡眠時間を確保したりなどのライフスタイルの変化と組み合わせると大きく改善することになります。

というのも、ストレスによってコルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌させるのでホルモン補充の効果を損ねてしまう可能性があるからです。

ホルモンの種類

エストロゲン
■ヒアルロン酸の産生を増加させ、「輝く肌」にマイクロアレイ検査などの遺伝子検査
■エラスチンの産生を増加させ、皮膚の厚さ、水分補給を維持し「みずみずしく」
■皮膚の毛細血管を増やして「肌色を明るく」
■コラーゲンを増やして「強くて絹のような髪」を維持

テストステロン
■エラスチンの産生を増加させ、皮膚の厚さ、水分補給を維持し「もちもち」肌に
■脂肪を減らし、筋肉量を増やすので「すっきりした見た目」に

どんなホルモンを補充すべきなのか？

渋谷セントラルクリニックでは、自分自身で作る、または作っていたものと同じ化学構造を持つホルモンを提供させていただいております。その理由は同じ構造式であるがゆえに体内でよりよく代謝することができるからです。また当院ではアンチエイジング目的で長期にわたって使用していただくことから、石油などの鉱物由来ではなく植物由来の成分を使用しています。
一般的に同じ構造式のホルモンをバイオアイデンティカルホルモンといい、その中でも植物成分のホルモンをナチュラルホルモンと称しています。
保険診療で使われているホルモン剤はバイオアイデンティカルホルモンではなく、馬の女性ホルモンを使用しているものもあり、長期的にはがんなどを含めた副作用の原因になりうると考えています。

ナチュラルホルモン補充療法のすすめ方

①問診・診察
②採血
③ナチュラルホルモン補充療法
④2～3か月後に再度採血して過不足をチェック
⑤その後は基本的には1年に1回の定期採血

ホルモンによるがんが怖い方へ

プロテオ®検査などのがんチェックをすることで、ホルモンを補充していてもがんの発生を予防することがこれからの新しい医療と言えます。
ホルモンを補充することは骨粗しょう症、大腸がんなどのがん予防、脳梗塞・心筋梗塞、現在のところ治療法のない認知症を予防する効果があり平均寿命のみならず、健康寿命を延ばすことが論文で示されています。