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開業15周年。新時代のアンチエイングを考える Part2

渋谷セントラルクリニックの大友です。
今月も開業15周年を記念して10年後のアンチエイジング業界について予測していきたいと思います。

開業15周年。新時代のアンチエイングを考える Part2

◆AMWCモナコ2024に参加してきました

次々と新しい治療法、医療機器、商材やコンセプトがたくさん出てきては消えていくアンチエイジングの世界。この栄枯盛衰が特によく分かるのが、モナコで開催されている世界最大級のアンチエイジングの学会であるAMWC。
最初は派手に登場したものの、これら新しい治療法・商材などは徐々に人気がなくなったのかいつの間にか小さくなり消えていくことを目にすることは少なくありません。

会場ではヒアルロン酸メーカーはたくさん見かけましたが、レーザー機器などの会社の元気はないように思えました。どの分野でも製剤は“ナチュラル”、“ボタニカル(植物性)”がキーワードとなっていて、今後はそうしたトレンドに進んでいくことが予想されました。

こうした数多くの発表や商品から良い目利きをする上で欠かせないのが、やはり人脈。
世界中のドクターと話し合う過程で、“自分自身や家族”に対して自信を持ってお勧めできるものというフィルターをかけると、国を超えて支持されているものはさほど多くはありません。今後もこの方針でトレンドを取り入れていきたいと考えております。

◆個別化医療(≒オーダーメイド医療)の時代が始まる

個別化医療とは自分の健康データーを分析して、様々な治療法やライフスタイルの中から最適なものを選ぶ医療です。
とかく身体的な部分に目が行きがちですが、人は心理的な要因や社会的な要因をないまぜにしながら生きているので、理想的なアンチエイジングとはこの3つのバランスがうまく取れた状態のことと言い換えることもできます。 

【ホメオスタシス】

この3つのバランスを知るために血液検査、尿検査、皮膚検査、自律神経、画像診断(MRI,CT)、心理テストetc.を行います。

【血液からわかること】

・ ストレス:酸化ストレス、インスリン抵抗性
・ 栄養・ホルモン状態
・ リキッドバイオプシー:がん、認知症などの早期発見(プロテオ検査マイクロアレイ検査MCI検査
・ 長寿遺伝子(テロメア検査
・ 食べたらストレスになる食材(食物不耐症≒IgG検査・遅発性アレルギー検査
・ 薬剤と病気の相性(例:がんと抗がん剤)

【皮膚を通してわかること】

・ 有害金属などの有害物質
糖化ストレス
・ 毛穴、シミ、シワなどの皮膚の状態(アンテラ検査)
・ 持続血糖測定(リブレ)

【便検査からわかること】
腸内環境(マイクロバイオーム)

【デジタルデバイス;例えばアップルウォッチからわかること】
心拍数、血圧、睡眠の質、消費カロリー

こうしたデータを集めたうえで、患者様やクライアントの価値観に応じて、治療法を最適化していくというのがこれからのお医者さんの腕の見せ所となります。
そのためには確固たる医療の専門分野を持ちつつも、専門分野以外の知識やリベラルアーツ(一般教養や社会的な常識)が必要になってくると思います。

◆治療法は価値観によって変わる⁈

これまでは一般的に効く確率が高いお薬や治療法を選択するというものでしたが、これからの時代には(他の人には効かないとしても)自分自身に合うお薬や治療法を選択することになります。
また医療の在り方もライフスタイルの価値観によって方針が変わることが予想されます。
例えばアルコール、たばこ、マラソンなどの長距離走は少なからず身体にダメージを与えますので、健康のためには控えた方が良いといわれることも多かったと思いますが、、、

個別化医療の時代にはそれらのダメージの程度や引き起こされる可能性がある病気(がん、肝臓の病気、狭心症などの病気)のなりやすさをモニタリングしながら、それらを楽しみつつ生活をすることも選択肢の一つになってくると思います。

先月号でも書きましたが、老化と若返り(再生)には以下のような原則があります。

開業した15年前には想像だにしなかったことですが、こころとからだのダメージ及び再生力を定期的に測定しながら、自分の思い描くライフスタイルを楽しめる時代がすぐそこに来ていることを喜ばしく思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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