現代人の食事において加工食品は欠かせない存在になっています。世界中で多くの人が日々の生活において時間やお金をかけずに、更にカロリーコントロールをする為に自然食品ではなくレトルト食品やファーストフードを選んでいます。新鮮な食品を買い、洗い、切って自身で調理するよりも、レトルト食品や出来合いの食事を温めるか、コンビニエンスストアの食品を購入するほうがはるかに簡単です。結果として摂取する食物繊維が少なすぎるという事態に陥ります。 渋谷セントラルクリニックで推奨している最適な食物繊維摂取量は一日あたり30グラムから50グラムです。(米国栄養士会(ADA)が薦める基本摂取量は1日あたり25グラムから30グラム)多くの人が一日あたりおよそ15グラム程度の食物繊維しか摂取していないという事実は、健康に対する懸念事項になっています。特に、食物繊維の低摂取と高カロリーな食事の組み合わせは体重増加の根本的原因になり得ます。
食物繊維は、粗食飲料とも言われ、果物、野菜、全粒子(全粒粉?)ナッツ、マメ科食物にみられる複合糖質です?。食物繊維にはカロリーは全く含まれていないので、体重増加を引き起こすことはなく、体に消化されたり吸収されたりすることもありません。むしろ、食物繊維は消化管の中の不要なものを体から排出する事により、消化や吸収プロセスの助けになっています。 食物繊維は水溶性と不溶性があります。水溶性食物繊維は水を吸収し、胃や腸の中の脂質、糖質、コレステロールの吸収を遅らせます。この働きにより血糖値レベルを調整し、コレステロールや血圧を低くし、善玉菌の成長を促します。ペクチン、ゴム質、そして粘液は多くの果物や野菜にみられるゲルを形成する食物繊維で、水溶性食物繊維のカテゴリーになります。不溶性食物繊維はやや異なる役割を担い、腸を一掃し不要物を除去し、腸の秩序を改善します。ナッツ、全粒子、その他多くの野菜に含まれているセルロース、ヘミセルロース、リグニンは全て水溶性食物繊維です。 簡単に言うと、水溶性食物繊維は吸収に関する役割を担い、不溶性食物繊維は不要なものを除去する役割を担います。食物繊維の全体的機能は食物の消化・吸収をコントロールして、更にデトックスにすることで体重減少効果を発揮します。
日頃から、果物、野菜、全粒子を定期的に食べていない場合、消化器系、それ以外の病気を予防する為に必要な食物繊維が十分摂取できていないと考えられます。 食物繊維の摂取不足による症状は、軽度の腹部不快感から腸壁の炎症である憩室炎と多岐に渡ります。食物繊維は多くの人に摂取して頂きたいと考えますが、特に下記の症状に当てはまる人は注意が必要です。
その他にも、食物繊維が不足すると無気力、無感覚、視覚にも影響を及ぼし気づかれない弊害があります。糖尿病、高血圧、高コレステロール、そして大腸癌でさえも食物繊維の摂取不足が原因となります。また、上記の症状を1つでも感じていたら、「減量が成功しない原因として食物繊維の摂取不足」と言う事も十分に考えられます。
何かを食べないことで逆に体重が増える事があると聞くと驚かれると思いますが、食物繊維の場合にはこれが起こり得ます。まず最初に、食物繊維はカロリーを全く含まないため、食物繊維が豊富な食べ物は、脂肪やカロリーが少ないものが多いです。例えば、葉野菜が多く含まれているサラダはピザ一切れよりもカロリーが少ないです。二つ目に、食物繊維はより早く満腹感を得られ、体内にも長く残るので食欲抑制に効果的です。勿論、これにより過食も防げるので、緑の葉野菜のサラダで食事を始めることは決して悪い考えではありません。 食物繊維はインスリン分泌のバランスも保ち、余分な脂肪の蓄積を防いで疲労感や甘いものを食べたいと言う欲求を除去します。 食物繊維は腸内環境に大きな影響を与えています。腸内環境が悪化するとTNF-αと呼ばれる悪玉サイトカインが体内で増えてインスリン抵抗性を引き起こしてしまいます。このことは体重の増加だけではなく老化疾患や数々の病気の要因となります。インスリンと体重増加についてはまた別の機会に詳しく説明します)体は、食物繊維が十分ではなく腸内環境が悪化しているとより多くのインスリンを必要とし、太りやすくなるという結果となるのです。結果として糖質を必要以上に欲するようになることもあります。甘い食べ物(糖質の多い食事)は栄養価に欠けることが多く、満腹感を出してくれません。空腹感が残りより食欲が増します。結果的に食事量が増え体重が増加すると言う悪循環が続きます。