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体重減少とインスリン抵抗性

インスリン抵抗性があるために体重が落ちにくくなっている場合、治療を始める上で最も良い大事なことは、食べ物の選択に気を付けることです。 インスリン抵抗性と炭水化物との関係についてはこれまで記事にしてきたとおりです。 食事中に大量の精製糖(炭水化物)が含まれていると、血液中には常にグルコースが溢れ、血糖値をコントロールすることが難しくなります。 身体にとって炭水化物の機能は必要不可欠ですが、インスリン抵抗性のある方は糖質の量を減らす必要があります。実際に、多くの人々にとって最善の食事の割合は、炭水化物40%、タンパク質35%、脂質25%ですが、それを見直す必要があります。 また糖質ならばなんでも良いというわけではなく、健康的な炭水化物、つまりグリセミック指数(GI)の低い炭水化物を選ぶことです。 GIは糖尿病患者が血糖値を管理できるようにするために作られたもので、特定の炭水化物が与える血糖値への影響に応じて、食品をランク分けしています。GIが低い食品としては、消化中にゆっくりと分解されるタイプの炭水化物が含まれており、このためグルコースはゆるやかに血液中へ放出されます。わたしたちが摂取すべきは、GIが低いタイプの炭水化物を含む食品です。 GIが高い食品は速やかに分解され、血糖値の急激な上昇とそれに伴うインスリン分泌の増加を引き起こすため、避けるべき食品といえます。GIが中等度の食品や高い食品は、可能な限り避けるべきです。 新しい概念で聞きなれない人もいるかもしれませんが、グリセミック負荷(GL)についても意識しておくことが大切です。GLは比較的新しい用語であり、食品のGIだけでなく、その食品に含まれる炭水化物の量まで考慮に入れます。 食品に含まれる炭水化物が、速やかにグルコースに分解されるタイプのものであっても、食品中に含まれる炭水化物の量が少なければ、その食品は血糖値やインスリンに大きな影響は与えません。 たとえば、ニンジンは高GI食品であることが分かります。しかし、ニンジンに含まれる炭水化物の量は比較的少ないので、血糖値やインスリンを上げるためには1日1ポンドもの摂取が必要になります。このため、ニンジンのGLはわずか5と低値になります。GLでは値が小さいほど、身体にとって良いものとなります。10以下は低値、11~19は中等度、20以上は高値に分類されます。 GIとGLにおける重要な注意点として、実際には特定の食品においては当てにならないこともあるということを覚えておいてください。たとえば、アイスクリームを例として考えてみましょう。プレミアムアイスクリームは低GIかつ低GLです。これは、脂肪を豊富に含んでいることで、消化に時間がかかるからです。このため、血糖値はゆるやかに上昇します。しかし、ご存知のように、脂肪や糖分は確実に体重増加へとつながります。 したがって、食品を選ぶ際はGIやGLを見るだけでなく、栄養豊富で加工を受けていないフルーツや野菜、脂肪の少ないタンパク質などを選ぶことが重要です。食品を選ぶ際は、血糖値への影響だけでなく、食品全体について考慮することが大切です。 また、食事に食物繊維を加えることで、食品が糖へ変換される速度をゆるめることができ、結果的にインスリンの産生量を減らすことが可能になります。食物繊維は満腹感をより長く感じさせる効果があり、体重を落とそうと努力しているときには効果的です。 食事の見直しに加えて、栄養補助食品を適切に使用することでも、インスリン抵抗性を治療することができます。下の表に挙げたサプリメントは、血糖値を下げたり、インスリンの効き目を良くする効果があります。

インスリン抵抗性に効くサプリメント

数多くのサプリメントがインスリン抵抗性に有効とされていますが、私がお勧めしたいのはビタミンD、マグネシウム、亜鉛、クロム、食物繊維の4つです。 この図からはインスリン抵抗性の改善のためにはマグネシウムと運動が必要なことが分かります。 この図からはインスリン抵抗性におけるビタミンDの重要性が良く分かります。 ビタミンDは過剰になると身体にとって有害であるとされてきました。実際には5000単位くらいまでは許容量ではないかという論文も散見されますが、心配な向きは服用する際は医師にビタミンDを採決で調べてもらうのが良いでしょう。 ・クロム (用量:1日1回1200mg) クロムとピコリン酸が結合すると、身体はより効率的に栄養を吸収できるようになります。腎臓病がある場合は、服用前に医師に相談してください。 ・マグネシウム (用量:1日1回、1回400~800mg) 腎臓病がある場合は、服用量を医師に確認してください。服用によって腹痛が生じた場合は、使用を中止して医療機関に受診してください。下痢が生じる場合は、服用量を減らしてください。酸化マグネシウムと比較すると、クエン酸マグネシウムやグリシン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、乳酸マグネシウムなどの形態の方がよく吸収されます。 ・亜鉛 (用量:1日1回、1回25mg) 亜鉛サプリメントの中でも、ピコリン酸亜鉛やクエン酸亜鉛の形態をとっているものは、よく吸収されます。副作用としては、吐き気や胃の不快感、胸やけなどが生じることがあります。これらの症状が持続、あるいは悪化する場合は、速やかに医療機関に受診してください。 ・α-リポ酸 (用量:1日1回300mg) 血糖値を改善させるため、糖尿病患者では投薬量を減らすことができます。糖尿病があり、かつα-リポ酸を服用している場合は、定期的に血糖値を測ってください。 ・コエンザイムQ10 (用量:1日1回、1回60~200mg。100mg以上の場合は複数回に分けて服用してください。) 血液をサラサラにする薬と併用すると、薬の効き目が悪くなることがあります。1回で100mg以上服用すると下痢を引き起こすことがあります。 ・マルチビタミン(医薬品グレード) (用量:ボトルの指示に従ってください) マルチビタミンは医薬品グレード以外のものは使用しないでください。 ・オメガ3必須脂肪酸、EPA/DHA(魚油) (用量:1日1回、1回1,000~3,000mg) 4,000mgを超えて服用すると、血液がさらさらになる可能性があります。同じ効果をもつ薬を服用している場合は、1日量が4,000mgを超えないよう注意してください。

インスリン抵抗性を改善しうる生活習慣のうち、食事以外のもの

心理的なストレスは、実際に血糖値とインスリンの量を増加させることが明らかになっています。このため、日常生活の中にストレスを軽減できるような工夫があるとよいでしょう。 生活の中に適度な運動を取り入れてみてください。血糖値やインスリンの量を改善させ、余分なカロリーを燃焼させる効果があります。

結論

インスリン抵抗性はダイエットの最大の鍵と言っても差し支えないと思います。 これを正しく評価して、正しい行動を取った人はほぼ大半がダイエットに成功してきました。 多くの場合、食生活の見直しと適切なサプリメントの使用によって、インスリン抵抗状態は改善し、健康の維持だけでなく、理想の体重に近付くことも可能になります。 一方で、インスリン抵抗性は、体重が落ちにくい原因として複数ある要因の1つに過ぎないこともあります。インスリン抵抗性を改善するための努力をして、それでも体重が減らない場合には、生活習慣の問題や健康上の問題、生物学的が関与している可能性があります。

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