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酒さの診断方法

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酒さってどんな病気?

酒さは、大人ニキビと赤ら顔を特徴とする慢性的な皮膚の疾患で、主症状として(1)ほてり、(2)持続的な紅斑、(3)顔に見られる丘疹(隆起)や膿疱(大人ニキビ)、(4)毛細血管拡張の4つが挙げられます。「酒さ」の正確な原因は不明ですが、ウイルスなどによる感染症ではないので、周りの人にうつることはありません。

酒さって血液検査でわかるの?

現在のところ、酒さを組織学的検査することで診断する方法は取られていません。当院では血液検査、便検査、皮膚の菌培養を含めて酒さの原因を調べることを行っています。その上で医師があなたの病歴、兆候、症状などを含めた綿密な診察のあとに酒さかどうかを診断します。酒さの悪化を防ぎ、酒さの症状をコントロールする正しい治療につなげるためにも、医師による正しい診断こそが、最初の一歩となります。

ただし、酒さの原因になっているビタミンDの低下やピロリ菌の感染の有無などに採血検査は有効です。

酒さにはどんなタイプがあるの?

患者さんの主症状と二次的な症状から、4つのサブタイプ(1)紅斑毛細血管拡張型酒さ、(2)丘疹膿疱型酒さ、(3)腫瘤型酒さ、(4)眼型酒さ、に分類されています。酒さの患者さんによっては、あるタイプから別のタイプに移行したり、同時に2つ以上のサブタイプの特徴を示したり、無症状のものから重症へと変化したりすることがあります。また、酒さの症状は必ずしもこれら4つのサブタイプだけに限られるわけではありません。

受診した際に医師に伝えるべきこと

受診の際は、あなたの症状を具体的に、例えば、赤ら顔、ほてり、丘疹(隆起)や大人ニキビ、腫れ、焼けるような痛みやかゆみ、刺すような痛み、などと説明して下さい。さらに、それらの症状がどのような時に現れているか、普段から書き留めておき、それらの情報を医師に伝えると良いでしょう。例えば、(1)暑い日に外出している時や熱いお風呂に入った後、(2)辛い食べ物や飲み物を摂取した時、(3)アルコールを摂取した時、(4)スキンケア用品やその他の化粧品を使用した時、(5)風や太陽、極度の寒冷にさらされた時、(6)運動した時、(7)ストレスがかかった時などに、どんな症状が悪化するのか、出現するのかを伝えて下さい。これらは、酒さのトリガー(引き金)になると考えられています。したがって、これらの情報を医師に伝えることは、酒さの症状の悪化を防ぎ、症状をコントロールするのに役立ちます。

医師の診察を受ける日に気をつけること

受診する日は、スキンケアはいつも通りにして下さい。ただし、診察する際に、肌の状態をよりはっきりと見る必要があるため、化粧はしないで下さい。また、使用しているスキンケア用品を持参して下さい。スキンケア用品に含まれている化学物質の影響などを考慮でき、診断の助けになるでしょう。

酒さ予備軍の場合、どうしたらいいの?

ほてり、持続的な紅斑、顔における丘疹や膿疱(大人ニキビ)、毛細血管拡張といった主症状が発症する以前にも、場合によって酒さ予備軍と診断できることがあります。酒さの傾向がある「酒さ予備軍」と診断されると、酒さの原因となりうる環境要因や悪化させるような生活様式を避けるためのアドバイスをもらうことができるでしょう。例えば、辛い食べ物や飲み物、アルコールの摂取などは、繰り返し起きるほてりなどを引き起こすと知られています。もし家族や周りに酒さ予備軍の疑いがある人がいるのであれば、医師に診てもらうよう、助言してもよいかもしれません。

どんな人が酒さ予備軍なの?

例えば、ニキビの治療に皮膚科を受診している10代や20代前半の患者さんで、長く続くほてりや赤ら顔のエピソードを訴えることがあります。持続的に見られる赤みはたいてい頰(ほお)や下顎、鼻、額を超えて現れます。このような患者さんはニキビの局所治療薬やある種のスキンケア用品がかゆみをもたらしていると気づくこともあります。

酒さの肌タイプとケア方法

酒さの患者さんの半数は乾燥肌(ドライスキン)を経験しているというデータがあります。もちろん正常(ノーマルスキン)の人もいれば、脂性肌(オイリースキン)の人、またその両方だったり、ウェットだったりする人もいます。適切な治療薬やスキンケア用品を決定する上で、スキンタイプを確認しておくことは重要です。どういった治療が最善であるかは、経験のある医師に相談して選択してもらう必要があります。

正しい診断、治療を行うことが大切

酒さの兆候や症状は治療をしなければ悪化する傾向にありますが、酒さの患者さんの症状が、個々にどのように進行するかは予想する方法がありません。酒さと診断された患者さんを対象とした後ろ向き研究の結果では、酒さが改善していない患者さんが52%で、酒さが継続している期間は平均13年間でした。酒さの赤ら顔が改善した患者さんは残りの48%で、酒さの継続期間は9年でした。ある臨床研究では、治療薬を6ヶ月間使い続けて酒さを再発した人は23%、治療薬を使わずに酒さを再発した人は42%でした。これらの知見からも酒さは再発と緩和を繰り返すことがわかりますが、医師の正しい診断のもとで、正しい治療を行うことが酒さの悪化を防ぎ、症状をコントロールすることにつながります。つまり、正しい診断こそが、酒さの症状が悪化する前に、すぐに酒さの症状を悪化させず制御下におくための最初の一歩となります。

〈参考文献〉

https://www.rosacea.org/patients/faq.php#diagnosedbefore

http://www.everydayhealth.com/rosacea/diagnosing-rosacea.aspx

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