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酒さと乳糖不耐症の遺伝

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酒さってどんな病気?

『酒さ』という病気を耳にしたことはありますか?酒さという病気は、ただ単に赤ら顔や大人ニキビであると間違われることがありますが、発症する原因が異なります。

大きな特徴としては肌、頬に大人ニキビを伴う赤い斑点が見られること、赤ら顔、特に火照り(ほてり)、熱感、かゆみ、痛みなどの症状が認められることがあります。顔だけではなく首や、胸、頭皮、背中、耳などの皮膚、眼にも症状が見られることがあります。

酒さって遺伝するの?

最近の調査で、酒さに遺伝性があることが明らかになってきました。

米国酒さ協会[National Rosacea Society (NRS)]が2052名の酒さの患者さんを対象に行った調査では、「家族内に酒さに罹っている人がいる」と回答した人は回答者の40%、そのうち「酒さに罹っている人が親、兄弟、祖父母、叔父または叔母である」と回答した人はそれぞれ27%、18%、13%、16%でした。

通常、酒さは30代、40代、50代、またはそれ以上の年齢になってから気づかれることが多い病気ですが、息子や娘がすでに酒さと診断されていると回答した人が11%おり、この慢性的な皮膚の病気『酒さ』が遺伝するという根拠を示しています。

酒さって良くなるの?

NRSの調査では酒さになりやすい遺伝的な体質であっても90%以上の人が適切な治療により症状が改善したと回答しています。肌の状態について、60%以上の人がまずまず、35%の人が悪くはないと回答しており、良い状態ではないと回答した人は2%以下でした。日本では酒さが認識されていないこともあり改善率が低いように思われます。

NRSの論文を始めとして数多くの研究で、長期的に生活習慣、環境要因を気にしながら医学的な治療を行った場合は症状の緩解を維持することができると示されています。

民族によって酒さの罹患率が違う?

NRSは酒さの患者さんの祖先を調査し、アメリカの全人口における祖先の割合と比べたところ、民族によって酒さになるなりやすさが異なることが示されています。アイルランド、イギリス系、スカンジナビア系の祖先を持つ人では酒さに罹っている割合が高く、他にもスコットランド、ウェールズ、ポーランド、リトアニア、バルカンの民族でも酒さの罹患率が高いことがわかり、一方、ドイツ、フランス、イタリア、ギリシア、ロシア系の祖先を持つ割合は、酒さの患者さんとアメリカの全人口で占める割合と比較してあまり変わりがありませんでした。

アイルランド系、イギリス系、スカンジナビア系には酒さが多い

「ケルトの呪い」とよく言われるように、アイルランド系で酒さが多いことが知られています。

アイルランド系祖先を持つアメリカ国民は全人口の15.6%ですが、NRSの調査では酒さの患者さんの33%が父親か母親の少なくともどちらかがアイルランド系祖先であると回答しています。またイギリス系祖先を持つアメリカ国民は13%ですが、酒さの患者さんの26%がイギリス系祖先であると回答しています。

人口における割合に比べて並外れて酒さの患者さんの割合が高かったのは、スカンジナビア系の祖先を持つ人です。スカンジナビア系祖先を持つアメリカ国民は5%ですが、酒さの患者さんでスカンジナビア系の祖先をもつ母親がいる人は15%、またスカンジナビア系の祖先を持つ父親がいる人は12%でした。

ヒスパニック系、その他

アメリカ国民の全人口の8%がヒスパニック系ですが、NRSの調査でヒスパニック系の回答者は約2%でした。またアフリカ、アジアの祖先を持つ人たちはほとんどいませんでした。

酒さは遺伝が全てなの?

こうしてみると日本人は酒さになりにくいのではと思いますが、日本人を含めて実は世界中で酒さの患者さんは増える傾向にあります。たしかに酒さには遺伝性があり特定の民族でより酒さを発症しやすい事実がありますが、それとは別に遺伝だけが全てではないということは同じ遺伝子を持つ双子の兄弟(一卵性双生児)を用いて行われた実験によって判明しています。ダニエル・L・ポプキン博士をはじめ、多くの研究者は、酒さ発症の要因の約50%が遺伝的な要素であり、残りの約50%は環境的な要素であると考えています。

酒さは遺伝以外にどんなことが関係するの?

酒さ発症の原因は完全に特定されていませんが、酒さ発症の遺伝的要因および環境的要因のメカニズムを確認するための研究は今も続けられています。

NRSの調査では、酒さの評価スコアでより高いスコアを持つ人に関連していたのは、年齢と紫外線を受けた量でした。また、それ以外にも相関が考えられることとしては肥満指数、喫煙、心血管疾患、アルコールなどがありました。

名前からすると酒さはアルコールと関連しているの?

たしかにアルコールが酒さ発祥の兆候であると考えている人たちもいます。また、心血管合併症が酒さ発症に関連しているという研究結果が、台湾の研究所とジョンズ・ポプキンス研究所という2つの独立した研究所より発表されており、この研究結果は信憑性の高い結果だと考えられています。アルコールを含む様々な要因が体内の免疫環境の乱すことによって症状が出てくることはハッキリしており個々に合った対策を取ることが重要となってきます。

☆質問

私は酒さなのですが、同じ症状が将来の私の子供たちに出るのが怖くて心配です。子供たちに酒さを発症させないための何か良い方法はありますか?

☆答え

酒さに遺伝性があることが示されているものの、現時点では、酒さ遺伝子や酒さの遺伝の原因は見つかっていません。しかし、初期症状が出ていないか用心しながら、症状が進んでしまう前に治療を始めることが最善の策です。

酒さの前段階の状態では、普通よりも長時間、真っ赤になったり、ほてったりすることが頻繁にあり、並外れて敏感肌な場合があります。ニキビ治療といった適切ではない治療によって炎症を起こすこともあり、きちんと正しい診断をしてもらうことがとても重要です。酒さになりやすいことが分かった時点から、酒さを悪化させるライフスタイルや環境因子を避け、ほてりが繰り返し出ないようにして、酒さを進行させないようにすることが大切です。

☆質問

祖父の顔がいつも真っ赤で悩んでいました。両親は問題ないのですが、私は40歳を過ぎたころから顔が火照るようになってきて大人ニキビができやすくなりました。世代を超えて発症することはあるのですか?

☆答え

NRSによりますと52%の患者さんが親戚に酒さになったことがある人や酒さで困っている人がいると答えています。特に、近親者にその傾向があることが知られています。

【渋谷セントラルクリニックDrコメント】

UCLA皮膚科ヘン教授の教えを汲む渋谷セントラルクリニックでは漫然と投薬治療を行うだけではなく、酒さの症状、状態を悪化させる可能性のある生活習慣や環境要因を特定し、それを回避することによって、かゆみなどの症状を緩和することを主眼に置いています。特に大友医師は酒さに罹患したことからこの病気が様々な要因で悪化したり緩解したりすることを身に染みています。

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