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お肌のトラブルによる見た目の問題は私たちの仕事や私生活に影響を及ぼしていると言われています。
酒さは主に顔の皮膚の慢性的な病気で、再発と寛解を繰り返すことが特徴で、見た目だけではなく様々な理由で生活を妨げています。
酒さは
1)赤ら顔
2)隆起と大人ニキビ
3)皮膚の肥大(特に鼻)
4)目の充血
と外見における特徴で4つに大きく分類されます。酒さの症状の出方は基本的に人によって様々ですが、一般的には多くの酒さの患者さんが4つの特徴のうち1つ以上の症状を呈します。
酒さの正確な原因はまだ詳しくは分かっていません。当院では原因は一つではなくて複数の要因が重なり合っていると考えています。
1)顔の血管が拡張しやすく、皮膚表面近くの血流が増えることにより赤ら顔になってしまう。
2)様々な生活様式や環境要因によって赤ら顔が悪化する。
3)大人ニキビが、よく顔の中心の赤い部分に現れるのは、血流や皮膚の細菌、ニキビダニ、毛穴の炎症、皮膚の下の結合組織の日光によるダメージ、異常な免疫反応や炎症反応、生理的要因による可能性がある。
酒さは見た目に影響するため、周囲の人々は風邪のように酒さも感染するかもしれないと思うかもしれません。酒さは人に伝染するタイプの感染症ではないので他人に移ることはありません。酒さの治療で抗菌薬が使われるのは、細菌感染に対する治療もさることながら、炎症を抑える作用を期待しているという側面もあります。
多くの酒さの患者さんにおいて赤ら顔(顔のほてり)やヒリヒリ感、かゆみがよく報告されます。また人によっては酒さの初期の段階で赤ら顔や大人ニキビと同時に人に気が付かれるほどのムクミを経験することもあるようです。
酒さの患者さんは顔の部位ごとに重症度が異なり、また患者さんごとにも異なります。酒さの赤ら顔と大人ニキビは別々に現れることもあれば、両方同時に症状が現れることもあります。酒さとニキビは別の病気ですが、発生機序は似通っている部分も少なからずあります。いずれにしても病態に即した治療を行うことが改善を早くするためには必要です。
酒さの患者さんの半数は乾燥肌(ドライスキン)を経験しているというデータがあります。もちろん正常(ノーマルスキン)の人もいれば、脂性肌(オイリースキン)の人、またその両方だったり、ウェットだったりする人もいるわけですが。
ただ治療していく段階ではこのスキンタイプは大きな情報になります。つまりスキンタイプを確認した上で、適切な治療薬やスキンケア用品を決定することが重要なのでどういった治療が最善かは熟練した医師に相談するのが良いかもしれません。
酒さの赤ら顔以外の外見の症状の一つとして、目の症状が挙げられます。酒さの患者さんは涙ぐんで潤んでいたり、充血していたり、乾燥やほてりで目がゴロゴロしたり、かゆみや刺すような痛みを感じます。
放置しておくと、角膜(黒目)の合併症が元で視力が低下するかもしれません。酒さにおける目の異常は、皮膚における兆候または症状の前後に現れるかもしれません。また、酒さの症状としては一般的ではありませんが、顔の皮膚や目以外にも首や腰、頭皮、耳、背中に症状が出ることもあります。
他の皮膚の病気との関連では、酒さの患者さんでは、脂漏性皮膚炎が見られることは稀ではありません。湿疹、皮膚結核と酒さの関連性は医学文献に今のところ報告はありません。皮膚がんに関しては、酒さの患者さんが、のちの人生において皮膚がんになる可能性が高いかという疑問も思い浮かぶかもしれませんが、現在のところ、酒さと皮膚がんを直接関連づけている医学文献はありません。
更年期に関連した顔面紅潮は、酒さの発症や初期段階において、酒さを引き起こすかもしれないと言われています。また、スウェーデンの研究によると、更年期後の酒さの女性は片頭痛を経験する可能性が高いことが明らかになっています。
その他にも双生児や人種における酒さの研究から、酒さは遺伝によるところもあることが示唆されています。
現在のところ、酒さを組織学的検査することで診断する方法は取られていません。当院では血液検査、便検査、皮膚の菌培養を含めて酒さの原因を調べることを行っています。その上で医師があなたの病歴、兆候、症状などを含めた綿密な診察のあとに酒さかどうかを診断します。
酒さの兆候や症状は治療をしなければ悪化する傾向にありますが、酒さの患者さんの症状が、個々にどのように進行するかは予想する方法がありません。酒さと診断された患者さんを対象とした後ろ向き研究の結果では、酒さが改善していない患者さんが52%で、酒さが継続している期間は平均13年間でした。酒さの赤ら顔が改善した患者さんは残りの48%で、酒さの継続期間は9年でした。
ある臨床研究では、治療薬を6ヶ月間使い続けて酒さを再発した人は23%、治療薬を使わずに酒さを再発した人は42%でした。酒さは再発と寛解を繰り返しますので、寛解してから再発するまでの間に治療を続けることで再発を防ぐことができます。
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