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酒さのサブタイプ

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酒さは慢性的な皮膚の病気

「酒さ」は主に赤ら顔を特徴とする慢性的な皮膚の疾患で、増悪と軽快を繰り返すことがよく特徴として挙げられます。酒さの症状は基本的に患者さんごとに様々です。

酒さの主症状

酒さは典型的には、顔の中心の凸面に症状が現れます。次に挙げる症状を1つ以上認める場合は、酒さを示唆します。これらの症状は一時的に見られることが多く、それぞれが無関係に起こります。酒さの患者さんの多くは、いずれかの症状が見られることが多いです。

(1)ほてり:一時的に紅斑が出るのは、よく見られる症状

(2)持続的な紅斑:肌の赤みは、最もよく見られる症状。つまり赤ら顔のことです。

(3)丘疹や膿疱:隆起した赤い丘疹に膿疱(細菌など病原体の感染によって生じる、壊死した白血球を主とする粘性がかなり強い皮疹)が伴うことがある。いわゆる大人ニキビですね。

(4)毛細血管の拡張:よく見られる症状ですが、診断に必須ではありません。

酒さの副症状

次のような兆候や症状が、酒さの主症状とともに見られることがあります。

(1)焼けるような暑さ、刺すような痛み:落屑や皮膚炎、特に蝶形紅斑を伴うこともあります。

(2)斑点:周囲の皮膚に変化を伴わずに赤い斑点が出ることがあります。

(3)パサついた外見:顔の肌は粗く、落屑があり、脂漏性皮膚炎を合併していることもよくあります。

(4)浮腫:長期にわたる紅斑やほてりと同時に、もしくは後から出てきます。

(5)眼の症状:よく見られます。皮膚だけの治療では治らないこともあります。

(6)顔以外の周辺部の領域における症状

(7)肉芽腫性変化:毛穴が広がったり、皮膚が厚くなったり、繊維化したり、団子鼻になったりするものを含みます。

酒さの4つのサブタイプ

酒さの主症状と副症状が同時に見られることはよくあります。これらの中で最もよく見られる症状を、特定の型の酒さとして分類していますが、サブタイプにある症状を全て満たしている必要はありません。

サブタイプとして、紅斑毛細血管拡張型酒さ、丘疹膿疱型酒さ、瘤腫型酒さ、眼型酒さの4つがあり同時に複数のサブタイプに当てはまることもあります。

 

サブタイプ1型紅斑毛細血管拡張型酒さの特徴

主にほてりと顔の中央部の持続的な紅斑が特徴の酒さです。毛細血管の拡張はよく見られますが、サブタイプ1型の診断に必須なわけではありません。顔の中心の浮腫や刺すような痛み、焼けるような熱感、肌荒れや皮がむけることもあります。サブタイプ1型では、症状がほてりだけの場合もよくあります。

 

サブタイプ2型丘疹膿疱型酒さの特徴

顔の中央部の持続的な紅斑に、顔の中心に一時的な丘疹や膿疱、またはその両方が見られるのが特徴の酒さです。丘疹や膿疱は口の周りや鼻の周り、目の周りに見られることもあります。

酒さと大人ニキビは同時に起こることもありますし、その場合は酒さによる丘疹や膿疱と、面疱が見られることもあります。丘疹膿疱型酒さでは、焼けるような熱感や刺すような感覚を訴える患者さんもいます。

このサブタイプ2型は、毛細血管の拡張が見られるサブタイプ1型と同時に、またはその後に見られることがよくあります。拡張した毛細血管は、紅斑が持続的にあったり、丘疹、膿疱があったりするとわかりにくいかもしれませんが、治療によって、マスクしている部分が改善すると、毛細血管が拡張しているのが見やすくなります。

サブタイプ3型瘤腫型酒さの特徴

皮膚が肥厚したり、不規則な表面の結節が形成されたり、大きくなったりしているものが含まれます。酒さ鼻が最も特徴的ですが、瘤腫型酒さは顎(あご)や額(おでこ)、頬(ほお)や耳を含む他の部分に現れることもあります。瘤腫型酒さでは、瘤腫のある部分の毛穴が目立ったり、拡張した毛細血管が見られたりします。

このサブタイプ3型は、持続的な紅斑(赤ら顔)や毛細血管拡張症、丘疹、膿疱を含むサブタイプ1型や2型と同時に見られることもありますし、サブタイプ1型や2型の後から見られることもあります。酒さ鼻の場合、これらの特別な症状は特に鼻で際立って見られるかもしれません。

サブタイプ4型眼型酒さの特徴

次に挙げる兆候や症状を1つ以上認めるときに考慮されるでしょう。

涙目や血走った目(結膜の充血)、異物感、焼けるような感覚や刺すような感覚、乾燥、かゆみ、まぶしさ、かすみ、結膜やまぶたの毛細血管拡張、まぶたや目の周りの紅斑です。

眼瞼炎、結膜炎やまぶたの縁がボコボコしている症状も起こることがあります。霰粒腫(さんりゅうしゅ;まぶたの病気の一つ)として現れるマイボーム腺機能不全や、麦粒腫(もらいもの)として現れるような慢性的なブドウ球菌の感染は、眼型酒さでよく見られます。患者さんの中には、点状角膜炎や角膜浸潤や角膜潰瘍、周辺部角膜炎といった角膜の合併症により引き起こされる視力が低下することもあります。眼型酒さによる視力障害のリスクを減らす上で、酒さの皮膚の病変への治療だけでは不十分な場合もあり、眼科的なアプローチが必要になることもあります。

眼型酒さは、皮膚の兆候や症状がある時に最も多く診断されます。皮膚の兆候や症状は診断の必要条件ではなく、ある研究によると、眼型酒さの患者さんの20%近くが皮膚の症状より前に眼の症状が現れていたことを示唆しています。また、眼型酒さの患者さんの約半数は最初に皮膚の症状を経験しており、皮膚と目の症状が同時に現れた患者さんもごく少数いました。

酒さの非典型なタイプ

酒さの4つのサブタイプで見られる形態学的なパターンや組み合わせにない酒さの異形が現れるかもしれません。現時点では、肉芽腫性腫さのみが異形として認められています。

一方、顔面膿皮症は酒さと診断するには時期尚早であり、ステロイドによるざ瘡様発疹や酒さの症状のない口周囲皮膚炎は、酒さの異形とは分類できない、とされています。

〈参考文献〉

https://www.rosacea.org/patients/faces.php

https://www.rosacea.org/class/classysystem.php

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