月経の2週間から1週間位前から始まり、月経開始とともに消失する身体的・精神的症状を表すいろいろな状態をいいます。
下腹部膨満感・判断力低下・集中力低下・情緒不安定・むくみ・疲れやすい・にきび・便秘や下痢・腰痛・下腹痛など、いろいろな女性特有の症状がほぼ毎月あらわれます。
下記の様な説があります。
東洋医学において月経前症候群(PMS)は、肝や腎が深く関係していると考えられており、気滞血瘀証や寒証の方に多いとされています。
月経期間中は、受精に備えて子宮内に気血を集めるために、「肝」が中心になって働くと考えられ、特に月経1週間前から「肝」が活発に働きます。「肝」には、気の巡りを管理したり、精神情緒の調整や筋肉・関節の状態を管理します。「肝」の機能失調は、東洋医学的な診察をすると、脈・舌・お腹・背中・手足の「つぼ」といった所に、その反応が出ます。
「腎」にはストレスに対抗する力を高める働きがあるため、症状が強くあらわれるときは、この「腎」の働きが弱くなっていると考えられます。
血が滞ると体全身が冷えやすくなり、代謝が低下するためホルモンバランスが崩れる大きな原因となります。また東洋医学では、「腎」の作用が弱まると生殖器系の働きが弱くなり、体と心がストレスに対して弱くなるといわれています。
この「腎」を補ってまいります。
また自律神経や内分泌系の機能を調整する『エイジングケア』を併用することで体質の改善をはかります。
改善があらわれる期間は個人差がありますが、月経前症候群(PMS)は鍼灸治療がとても有効な治療法です。
この患者様は、月経前10日位前から「腰痛」・「集中できない」・「吹き出物」・「下腹部痛」・「肩こり」がひどくて当科ペインクリニックに紹介されて来ました。
確かに自律神経系が特に乱れていました。冷えがひどく「肝」・「腎」・「肺」を中心に治療したところ、鍼治療がご本人には大変合っているらしく現在でも『エイジングケア』をかねて定期的に来院されています。