新しい時代の痛み治療

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2023年3月1日

渋谷セントラルクリニック代表の大友です。

今月のテーマは新しい時代の痛み治療についてお話しさせていただきます。これまで痛みを治療といえば手術、リハビリ、投薬が標準でしたが、ホルモン補充療法や再生医療などの新しいアイディアが痛み治療の常識を変えようとしています。

再生医療

１．痛み治療の新しいトレンド

ホルモン補充療法

痛みのために重要なホルモンはテストステロンとエストロゲン、いわゆる男性ホルモンと女性ホルモンです。日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、実は欧米では慢性の痛みは更年期障害の症状の一つとして認識されています。

ホルモンが減ってくる生じる症状：関節の痛み、腱鞘炎、筋肉のコリ

ホルモンが減ってくることは、不安、プチうつ、やる気などの心理面にも関係していて、痛みに対して敏感になるなどの影響もあります。
それだけでなくホルモンを補充すると筋肉量や骨量が増えるので、再び痛みをぶり返さないようにする予防のためにも役立ちます。これは従来のお薬にはない特筆すべき効果と言えます。

再生医療　～PRP～

痛みの再生医療はPRPで歴史が始まりました。
血小板を高濃度に含んだ血漿のことをPRP(Platelet Rich Plasma)といいます。ヤンキースの田中将大投手やエンゼルスの大谷翔平投手が靱帯損傷の際にこのPRPを用いて治療していたのは記憶に新しいところだと思います。
PRP療法はイランのDr.RaeissadatがPRP関節内注射の方が従来のヒアルロン酸の関節内注射よりも変形性膝関節症における症状を改善効果が高いということを発表したことに始まりました。

PRP療法は血小板が放出する成長因子によって治りにくい組織の損傷を修復する力を促進したり、炎症を早く治めたりすることが期待できます。結果として、関節や筋肉、腱の疾患または損傷に対して「手術をすることなく、注射でのアプローチする治療法」です。

渋谷セントラルクリニックで採用しているのが、PRP点滴の進化版ともいえるのがPFC-FD療法。PRPを2倍に濃縮させることによって成長因子の量を高めています。

自己成分100％であり、無添加・防腐剤フリーのためアレルギーリスクなしなのも嬉しいですね。

再生医療　～エクソソーム～

アンチエイジング通信でも何度となく取り上げている、エクソソームも痛み治療のためには重要なファクターの一つです。

エクソソームとは幹細胞上清液のことで、幹細胞を培養する過程で生じる上澄みを上清液と呼びます。この培養上清液に含まれる500種類以上の成長因子を含む生理活性物質を投与することにより、老化した組織の若返りを目指す新しいアンチエイジング医療です。

渋谷セントラルクリニックでは感染症対策をしっかりとしてある臍帯血由来の幹細胞上清液を使用しています。

エクソソーム療法は局所の注射も、点滴による全身の投与の両方から痛みに対してアプローチすることができます。

適応の症状、疾患

【アンチエイジング：点滴による治療】
疲労回復、エネルギー向上、記憶力、筋力、心機能、血管、持久力の向上

【リハビリ：点滴による治療】
慢性の痛み、の嗅覚回復、脊髄損傷、脳梗塞

再生医療　～PRPとエクソソーム療法の違い～

二つとも成長因子による再生医療を期待しています。
PRPは自己血由来、当院のエクソソームは臍帯由来という差があります。
エクソソームには人の細胞は含まれていないので理論的には感染症やアレルギーは発生しません。
エクソソームは若い人の由来ということもあり、お年を召した方のPRPよりも成長因子の量が多いことが考えられます。

今後、再生医療は従来の手術による治療方法を転換させる可能性を秘めています。それは身体への負担となる手術や入院そのものを避けることによって、QOL（生活の質）を高めることになるからです。

先端リハビリ

ホルモン補充療法、再生医療に加えて慢性の痛みを成功させるには先端のリハビリが必要不可欠です。
渋谷セントラルクリニックでは加圧トレーニングを用いたリハビリを行っていまして、NHKインターナショナルで放映されるなど新しい取り組みをしています。
加圧トレーニングはあえて筋肉に酸素の供給を少なくすることでマイオカインといわれる成長因子を分泌させるトレーニングです。