乳製品を頻繁に摂取するヨーロッパ人、インド人、ユーラシア人に、人口あたりの酒さが多いのは乳糖不耐症との強い関連性が示唆されています。
ほとんどの子供は5歳までに、乳糖の消化を助ける酵素であるラクターゼの分泌能力を失うことに由来しています。特に、東アジアでは乳糖不耐症が多く、一般的に乳製品を食事で摂取しません。
だから
アルコールが飲めない人が卒倒して倒れるのと同じとお考え下さい。カラダが受け付けないのです。アルコールのようにいきなり倒れてしまわないので気が付かないのですが、残念ながら体質に合わないことの症状の一つとして表れている可能性が少なくありません。
ここから先は難解ですが、乳糖がどうして酒さに関係しているのかを考察してきます。
乳糖不耐症の人では、消化されない乳糖が腸内にまき散らされ、腸管の浸透圧が上昇します。
腸管の浸透圧が上昇すると、腸管の細菌は生きていくのが困難になり、結果としてLPSを含むむき出しの細菌の細胞膜が放出する。LPSはスーパー抗原で、大量のTNF-αを産生するγδT細胞を刺激する能力がある。
酒さにおける光線過敏症は、赤みと日焼けの光線過敏症を招くTNF-αによるものである。
加えて、嚢胞、懸垂繊維腫、背中と顔に脂漏性角化症に似たいぼ、脂腺の成長(脂腺増殖症や鼻瘤)の原因となるTGF-αといった成長因子もまた活性化T細胞とマクロファージから産生される。
目の周りの厚く暗い円や首や脇の皮膚に厚みがある色素過剰を伴う黒色表皮腫の進展もまた乳糖不耐症の人に見られる。
乳製品を消費している乳糖不耐症患者に伴う腸管における腸内炎症は、便秘、下痢、痔、憩室炎、腸管ポリープ、腸管の悪性腫瘍とも関連していると言われています。
酒さの人は他の全身的な病気の罹患率が高いと言われていますが、それはTNF-α、TGF-αと関連していると思われます。