酒さはピロリ菌の異常増殖ともよく関連していることがわかっています。
ピロリ菌の正式名称はヘリコバクター・ピロリで、1983年に発見されました。ピロリ菌は萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃癌などの発症と密接に関係しており、酒さとの関連も1990年代から報告されており[1-3]、「酒さはピロリ菌感染の皮膚の指標である」[1]と言われることもあります。
酒さの患者さんでは、ピロリ菌から放出されるサイトカインが光線過敏症を引き起こし、日光に曝露した部位に赤みを生じさせ、酒さを再発させたり、悪化させたりします。
実際、尿素呼気テストにおいてピロリ菌陽性と診断された酒さの患者さんが、ピロリ菌の除菌によって、96%の人で酒さの症状の改善を認めています[4]。
当院では、ヘリコバクター・ピロリの感染の有無を調べる検査を行い、ピロリ菌陽性の場合、除菌療法を行っております。
参考文献
- 1.Szlachcic A, Sliwowski , Karczewska E, Bielanski W, Pytko-Polonczyk J, Konturek SJ. Helicobacter pylori and its eradication in rosacea. J Physiol Pharmacol 1999;50:777-786.
- 2.Barnfold JT, Tiden RL, Blankush HL, Gangerness DE. Effect of treatment of Helicobacter pylori infection on rosacea. Arch Dermatol 1995; 135:659-663.
- 3.Schneider AAA, Skinner Jr RB, Rosenberg EW, Noah PW, Smith L, Zwarum A. Serological determination of Helicobacter pylori in rosacea patients and controls. Clin Res 1992;40:831A.
- 4.Diaz C, O’Callaghan CJ, Khan A, Ilchyshyn A. Rosacea: a cutaneous marker of Helicobacter pylori infection? Results of a pilot study. Acta Derm Venereol 2003;83:282-288.