食物不耐症食品を完全に消化出来ない状態を指します。カラダで完全に食べ物を消化できないと、部分的に消化されたタンパク質や糖分が残ることになります。この状態は特に穀類、牛乳、砂糖などの「現代食品」が原因となることが多いです。カラダがタンパク質の分解断片を「味方」であると認識しないことから様々な問題が発生します。タンパク質の分解断片に対するカラダの反応が慢性炎症を引き起こします。 正常に機能することを妨げ、様々な症状を引き起こします。治療せずに放置しておくと病気になりますが、適切な食事を食べるように心がけることによって症状は軽減されていきます。
食物不耐症は食物アレルギーの有病率より高いと言われています。 食物不耐症は大きく4つに分けることが出来ます。
これに引き換え食物アレルギーは有病率1%以下、100人中1人に発生する程度の割合でしかありません。
特定の食品または食品不耐症は、「特定の食品を適切に消化または完全に処理することができない」状態であり、慢性的に何らかの症状が出たり、病気に罹ったりする原因となります。 食品不耐症の症状としては次のようなものが挙げられます。 胃腸(胃や消化管)に関わる症状:腹部膨満感、お腹の痛み、下痢、便秘、大腸炎等 呼吸器(肺、呼吸)に関わる症状:慢性的な咳、喘息、気管支炎、副鼻腔炎 皮膚に関連する症状:湿疹、乾癬等 神経学的な症状:慢性頭痛 精神学的な症状:記憶力の低下、気分障害、うつ病、行動異常 筋骨格(筋肉及び骨)に関連する症状:関節炎、痛風 生殖器(性器や受精)に関わる症状:不妊症、流産 免疫に関わる症状:アレルギー、頻繁な感染症 吸収不良に関わる症状:栄養欠乏症、貧血、骨粗鬆症
1.食物不耐症は珍しくない!? 医学的なエビデンスによれば、食物不耐症は、一般的に言われているよりも多くの人が潜在的に認められると言えます。例えば、グルテン過敏症は0.5%と言われることもありますが、実は15%程度のアメリカ人に見られるのではないかと最新の研究では指摘されています。 また、乳糖不耐症にいたっては、有病率が75%程度と非常に高いため、乳糖不耐症のない方がむしろ少数派であるともいえます。ほとんどの人間は、離乳してから2歳になる頃までに乳糖を分解する酵素であるラクターゼの産生がなくなります。したがって、明らかな症状が出ていない場合でも、大多数の成人は乳糖不耐症と言えます。そうしたことからラクターゼ持続症と呼ばれる新しい単語も生まれています。つまりラクターゼ持続症は、大人になってもラクターゼが依然として産生されていることを意味します。
2.食物不耐症は遺伝する!? 食物過敏症は遺伝子に組み込まれているので、家族全員が遺伝的に持っているものになります。そのため、食物過敏症は父母、祖父母から遺伝し、ゆくゆくは自身の子供たちに遺伝していくことになります。例えば、セリアック病を患う患者さんの一等親血縁者のうち10%の割合でセリアック病(またはグルテン過敏症)を発症します。一方、食物不耐症の症状は、家族全員が同じ食物過敏症を持っている場合でも、全員全く違うこともありえます。
3.食物不耐症の診断は、正確にするのが難しい!? 採血などの一般的に行われている検査方法では食物不耐症を正確に診断することは非常に難しいと言えます。しかし、経験のある医師とライフスタイルを見直すことによって不耐症を見つけることは出来ます。
4.食物不耐症は症状が出るまでに時間がかかることがあります。 食品から摂取してから症状となって出現するまでに食後最大48時間かかる場合があります。したがって、症状と原因となった食物とを結びつけることは困難です。ほとんどの人は、何年もの間食物不耐症を認識することなく便秘薬などの症状を緩和させる市販薬を服用し続けています。また調子の良い時と悪い時があるのが知られています。不耐症の食べ物を連続して摂取した場合は症状が出やすいけれども、たまに食べている場合は大丈夫だったりとその時々の状況や体調によって症状は左右されます。
5.食物不耐症に対する認識はまだ高いとは言えません。 食品不耐症による悪影響を理解している人はほとんどおらず、食物アレルギーと間違われることがよくあります。多くの症状は慢性的なため、他の何かに起因するものとされることが多いです。食物不耐症に対する認識が低いことは、不正確な診断につながり、症状を「治らない」と結論づけてしまいかねません。そうならないよう、自分自身の症状が食物不耐症に対して現れる症状かをよく検討してみて下さい。
6.食物不耐症は加齢とともに悪化する!? 年を取るにつれて、食物不耐症の症状は悪化します。小児や若者の健康状態はカラダにとって悪い食物に対して、症状も出ず耐性を保つことが出来るかもしれませんが、年を重ねるにつれて、人間のカラダは耐性がなくなり、それまでにはなかったような症状が現れることがあります。まずは自分の食物不耐症となる食物を特定し、それらを摂取しない適切なダイエットを実施することが大切です。
食物不耐症は人間の慢性炎症に大きな影響を与えていることが考えられます。腸内環境を整えるためにはとかくヨーグルトなどの乳酸菌を食べたり、食物繊維を取ったりと’追加’することばかりに目が向けられがちですが、それ以上に大事なのは不耐症である食べ物を同定してそれを避けることにあると考えられます。遅発性アレルギーと不耐症は混乱されていますが、厳密には違う概念です。但し、当院の検査結果と不耐症を見比べてみると似通っていることがあることに驚かされます。不耐症の検査というものがないことから、辺りを付けるために遅発性アレルギーの検査をすることもありかもしれません。 グルテンと乾癬についてはこちら 乳糖不耐症と乾癬についてはこちら