メルクマニュアルを中心に治療方針をまとめてみました。当院でのUCLA式治療の相違点を含めてコメントしたいと思います。
ちなみに下記の写真はUCLAの校舎。青空が美しいですね。
酒さ(酒さ様ざ瘡)は慢性炎症性疾患で,顔面のほてり,毛細血管拡張,紅斑,丘疹,膿疱が特徴であり,重症では鼻瘤も特徴である。
診断は特徴的な臨床像に基づいて行う。
治療は重症度によって異なり,メトロニダゾールの外用,抗生物質の外用および内服が用いられるが,イソトレチノインが用いられることはまれであり,重症の鼻瘤には手術も行われる。
酒さの病因は不明であるが,顔面の静脈灌流障害,毛包に住むダニ(毛包虫)の増加,ヘリコバクタ-ピロリ感染が提唱されている。
⇒当院では上記の原因のほかに乳糖不耐症、体内の感染症に着目した治療を行っております。
酒さの症状は4期に分けられ,顔面および頭皮に限局する。
“前酒さ期”では,患者は当惑するようなほてりと発赤を来し,しばしば不快なピリピリ感を感じる。このような発赤の誘因として通常報告されているものには,日光暴露,情動的ストレス,寒いまたは暑い気候,アルコール,辛い食物,運動,風,化粧品,熱い風呂,熱い飲み物がある。
⇒私の場合は、地中海料理の研究で南仏やイタリアに出張に出かけていて大量の乳製品、アルコール、日光に当たったことで発症した可能性が高いです。
血管期では,患者は顔面に多数の毛細血管拡張を伴う紅斑および浮腫を生じるが,これは血管運動神経の不安定性が持続する結果かもしれない。しばしば炎症期がその後に続き,炎症期では,無菌性の丘疹および膿疱(このため,酒さは“成人にきび”と呼ばれる)が生じる。
⇒私の場合は赤みと痛みで非常に不安になりました。その後、ニキビが表れて何が起きているのか把握することも出来ませんでした。強い日焼けによるものと当初診断されてステロイドを塗っていましたが、その後ステロイドが原因の酒さかもしれないと言われて困惑した記憶があります
一部の患者では後期酒さに進展するが,この病期の特徴は頬部と鼻に生じる粗い組織の過形成(鼻瘤)で,これは組織の炎症,コラーゲンの沈着,皮脂腺の過形成が原因である。
⇒酒さの診断に至るまでに多くの医師を廻っているうちに治療が後手になってしまっているというケースも少なくないと思います。また塗り薬、内服薬、レーザーなどの治療とオプションはあるものの対症療法のことが多く、一人の先生に患者さんが信じ切れずにドクターショッピングしていることも少なからず見受けられます。